土偶をつくる  第5回

縄をつくる

 

めるし
(第9、10号で「北千住大喜利ハウス」執筆)
 
 
 
 
 縄文時代というだけあって、縄文人は縄の文様が大好きだ。その種類は、縄の撚り方と粘土への施文方法によって、数百パターンもあるらしい。どんだけ好きなんだ、縄。みなさまご存知の通り、文様は土器の表面に施されている。そして、土偶にも施されている。
 土偶をなるべく縄文時代と同じ方法で作ってみたい私は、粘土を寝かせている間、この縄作りにもチャレンジしてみることにした。
 
 縄の原料には、主に麻などが用いられているようだ。
 麻・・・。私が住んでいる北海道では、実は、あちこちで大麻が自生している。
 3回目で粘土を採りに出かけた三日月湖の辺り、あの周辺の湿原で、大麻が自生していると聞いたことがある。
 よし、あそこに行って、大麻を引っこ抜いて来よう。それを乾燥させて、所持していたら・・・お縄をちょうだいしてしまう。縄を作ろうとしたら、お縄をちょうだいしてしまうとは、これいかに。目的達成、いや、達成してないよ。「乾燥した麻が必要だったんです。土偶のために。」と正直に供述しても、ラリってるとしか思われない。
 

 
 
 土偶は作りたいけど前科は作りたくない私は、家の裏山に行き、縄に出来そうな植物を採取してくることにした。
 そして、採ってきたのがこれ。
 

 
  すすきの葉(?)、松葉(?)、名前の分からない繊維質の植物、夏に食べたとうもろこしの葉が庭に放置されていたもの。
 とりあえずこれらを、撚ってみることにした。
 その試みの模様がこちら。
 

 
 名前の分からない繊維質の植物、これが一番使えそうだ。これを使って縄を作ることにする。
 
 作ってみるにあたって、ネットで縄の作り方を検索してみた。が、もし、おヒマな方がいらっしゃったら、Googleで「麻縄 作り方」と検索し、結果を見ていただきたい。
 今の世の中、麻縄の作り方、といえばそれは、SMプレイのロープの作り方なのですね。知らなかったなあ。そうか、現代で縄を偏愛する人といえばそれは、SM関係者の方々か。困ったなあ。私は土偶に縄の文様を付けたいのであって、土偶を亀甲縛りにしたいわけではないのに。
 SM情報に阻まれ、ネットでは縄の作り方の情報を得られなかった。そこで、土偶師匠・三上社長から教えてもらった本を開く。そこに縄の撚り方の情報がほんの少しだけ書かれていた。それを参考に撚ってみることにする。
 
 縄の作り方だが、先ずは、繊維を右撚りにする。次に、右撚りにしたもの2本を左撚りにする。そして、右撚りにしたもの2本を左撚りにしたもの2本を右撚りにする・・・これを繰り返す。
 

 
 この繊維、やはり麻ほどは縄作りに向いていないなのか。撚っていてぱきぱきする。
 私が作った縄と、家の物置にあった市販の縄を、並べて見る。
 

 
 汚い・・・。

 もう、このね、右、左、右、左、という単調な動作を繰り返しているとね、頭の中に、これまでに過ぎ去りしことやら、これからの自らの身の上のことやらが去来してきて、ほんと、気分が鬱々としてくる。
 あああもういやだあっっ、と縄作りを投げ出したくなった私の脳裏に、むかしナンシー関さんの本を友人に貸したとき、その友人が放った一言がよぎった。
「ナンシー関くらいになるともう、いちいち消しゴム掘らなくても、消しゴム版画風の絵が描けるんじゃない?」
・・・・縄文人くらいになるともう、いちいち縄を撚らなくても、縄目風の文様が描けるんじゃ・・・
縄を撚らなくても、描いちゃえばいいのでは???

 次回、寝ている粘土はどうなったのか、様子を覗いてみますぐう。

 
 
 
 

-ヒビレポ 2014年2月4日号-

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