超小市民あるあるパラダイス  第1回

視力悪いあるある

 
田中稲(11号で「大阪から来た女」執筆)
 
 
 
 
今回もやってきましたヒビレポ。
やってきましたというか、またもや飛びついたというか。
いやもう長い前置きはやめておきましょう……。
今回は私の類稀なる視野の狭さを活かし、日常のちーさなちーさな「あるある」を見つけ、ちまちまツッコもうではないかという作戦です。
昭和歌謡ネタ切れですかというイジワルな読みは禁止―ッ!!(←動揺を隠せない)
今回は「視力悪いあるある」。ハイッ、本題本題。

小学校の3年生ごろだろうか。私の視界がいきなりボヤケだしたのは。
黒板の字が形をくずしはじめ、「グリーンの板に白いモヤモヤ」状態しか見えなくなりメガネデビュー。
で、それからずーっとメガネである。頑なに。揺るぎなく。一途に(もうええー)。
それはなぜか。単にコンタクトレンズが怖いからである。だって目の中にガラスを入れるんですよッ!! ところが、私の周囲には姉、姪っ子、先輩、友人……これを簡単にやってのけている人があまりにも多い。車の運転もそうだが、世間の皆さん、本当に度胸が据わっていると感心せざるを得ない。
いや、実は私も大学入学時に一度だけ、挑戦はしたのだ。女子高からついにメンズに囲まれる花のキャンパスライフに突入するに至り、メガネを脱いでいろんな意味での春の到来を準備しましょうとばかりにコンタクトレンズを購入した。
しかし、虚しく一週間で断念(泣)。
ハードコンタクトなので、着け心地がゴロゴロしまくりだったのも理由だが、なにより彼ら(コンタクトレンズ)が信用できなかったのである。
「アンタたち、ホントーにちゃんと装着してる? それ定位置なの? 眼球に傷つけない?ねえっ!!」
と目の中が気になって気になって、メンズと仲良くなるどころか、授業にすら集中できなくなった(嗚呼私のチキンっぷりよ……)。
結局、余計な精神的負担を無くすため、私はメガネに戻った。そして、精神的負担は減ったが、鼻に負荷を掛け続け、今に至る。
すでに30年以上メガネに押しつぶされ続けた私の鼻は、確実に昔と比べてデカく団子になっている気がする。気のせいではない。きっと……。
「わかるわー。私も同じ理由でメガネ族よ」
という人手を挙げてッ。けっこう多いと思うのだが、気のせいか。気のせいなのかッ。
 

 

さて、私の場合、視力は両目で0.07なのだが、右目と左目の視力がかなり違い(不同視というらしい)しかも乱視である。それゆえ、眼鏡を外すとボンヤリ&景色がブレブレで、フォトショップ加工に失敗した画像みたいな見え方をするのだが、これがけっこうキレイなのだ。なんちゅうか、水でぼかしまくった水彩風景画みたいな感じ。細かいところがボヤけるので、チリホコリゴミ類が見えないのも大きいだろう。

世界は美しい。オー・ワンダフーワー……♪

眼鏡を外した時の自分の顔が若く見える感も好き。シワが無かったことになるミラクル。逆にメガネをかけた時のガッカリ感!!ちくしょーぅ。いつまでも夢を見させてくれよぅ(泣)。

いつも思うのだが、私のような「視力の悪いメガネ派女性」は、アイメイクはいかがされているのだろう。
私は、鏡と顔がビターッと引っ付く勢いで近づけ、指でアイシャドーをまぶたにこすりつけるのが精いっぱいである。本当はアイラインで黒々と縁を取ったりマスカラ塗ったりビューラーでまつ毛をクルリンと巻いたりしたいのは山々なのだが、昔、これに挑戦して、全て自爆。
アイラインとマスカラは距離感が取れず、眼球にチョーップと突き刺してしまい
「あだだだだ!!」
鏡の前で目を押さえ5分ほど飛び続ける大惨事となった。
ビューラーは、やはり距離感が取れずまつ毛だけでなくまぶたまでグイーッと挟み込んでしまい
「あだだだだ!!」
これまた鏡の前で目を押さえ5分ほど飛び続ける大惨事となった。
そう。視力の悪い私たちにとって、メイク道具は凶器となり得るのである……。

一番困るのは、メガネをかけていないとメガネが見えないことである。
私はなんでも、無意識に物をいろんなところに置きっぱなしにするクセがある。メガネくらいは「ここが定位置!」と決めておけばいいものを、机の上に置いたり、雑誌の上に置いたり、あっちゃこっちゃに置きまくる。
そして、いざ掛けようと思った時はすでに遅し。ボヤけた世界の中でメガネは机の色や雑誌の色に同化し、忍者の如く姿を隠した後なのだ……。
「ぬぉーーー!! シェーン、いやさメガネカンバーック!!!」
とへっぴり腰であっちゃこっちゃに手を伸ばし探しまくる私の姿は横山やすしさながら(怒るでしかし!)。で、結局目の前にあったりするんだよなあ。視力の問題ではなく性格の問題か?フレームがベージュなのも問題なのだろうか。もっと鮮やかな色のに変えてみようか。ぶつぶつぶつ。
 

 
この間、取材でお会いした60歳半ばくらいの社長さんが、両目2.0とと仰っていて、視力を低下しないコツとして
「小さい頃からヒマさえあれば部屋から見える向こうの山を見てたんだよ。それじゃないかなあ。綺麗な緑を眺めるのはいいよ」
と教えてくれた。しかし正直、私はこの意見に懐疑的である。なぜなら、私もド田舎育ちで、毎日嫌でも山やら緑やら見ていたからである。なのにこの差よ。。多分、もともと持ってる資質みたいなものがあるのだろう。
ちなみにうちのオカンは緑内障である。失明の危険と戦いながら「あんたに迷惑かけられへんもんな!」とサプリを飲んだり時間通りきちーんと目薬を差し続けたり眼ヨガをしたり、ケナゲに努力をしている。
かと思えば、いきなり「いつ見えなくなっても後悔したくないしー」とWOWOWで映画を続けて2本見た後ぶっといハードカバーを3時間で読破するという無謀ぶりを見せ、ウサギの如く目を充血させひーひー言ったりしている。わが親ながら彼女のメンタルのバランスがよく分からない……。

私も目は大切にしよう。今からでも視力、良くなるかもしれないし。
ということで、いまさらながらではあるが、視力回復に役立つという「マジック・アイ」を見た。そして即効で酔った(号泣)。さささ三半規管に来たわ鮮やかな連続模様。かくも難しい、メガネ支配からの卒業……。
最後の最後、意地でも懐メロに絡めようと尾崎の卒業をぶち込んでみました。
うーむ。我ながら往生際、わるっ。

 
 
 
-ヒビレポ 2014年4月3日号-

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