ヒビムシ  2 – 2


押部谷木津:キタキチョウ

沢田佳久
(第11号で「五十円玉はどこだ」執筆)
 
 
 
 マスコミは桜前線が大好きだ.季節の便りとしてそこそこ関心も呼べるし,基本的に慶び系だし,情報網の組織力を発揮できるからだろう.取材はとりあえずルーチンワークで,毎年準備しておいて大きなネタが入ればそれに譲ってボツるのだろう.そう思う.昨日(26日)は一日じゅう雨のなか,和歌山でのソメイヨシノ開花が宣言された.今日(27日)はその雨も上がったので近場の農村へ行った.北区小河から西区押部谷木津にかけては電車も高速道路も通っているが,ちょっとした峠の下の集落である.周囲の激しい開発をよそに,山間の農村の風情を残している.

 と,書き始めたが,実際には30日の日曜日に書いている.26日の雨で一日ずれた選抜は準々決勝が今日(30日)のはずだったが,昨日また延長15回引き分けの試合があって,今日は一試合だけ再試合をするらしい.
 各地から続々と開花の知らせが伝わり,めまぐるしく変わる天気の中,徐々に春が始まる感じのここ数日である.大会の華とされる準々決勝四試合が日曜から月曜にずれた.その経済波及効果を計算しろよマスコミ,増分減分いろいろ有り得て興味深いぞ,みたいな事を思う.余談書きすぎ.
 

 

 押部谷木津のソメイヨシノはまだ開花していないが,枝垂れの品種の桜は咲き始めていた.いちおう押さえておこうと花に近寄り,見上げる形で撮影すると空がよく晴れていた.でも風が強く,約50%の雲量で曇りと晴れが入り混じったのを思い出す.風と光で撮影の難易度が大幅アップだった.
 水田と畑と休耕田が適度に混じっている.ハイキングコースの路傍を見ていくだけで,動き始めた虫に次々と出会うことができる.足元にはツクシやフキノトウが生えている.いかにも早春.フキノトウの形状には個性があり,球形に整ったやつを撮影した.
 
フキノトウ
 
 ツクシも開き具合が様々で,林立してるところを撮りたいなと思って探していると,クモが待ち伏せているところに出くわした.写真はハナグモ(の幼体)だと思うが,ほかにヤマシロオニグモらしいのも撮った.ツクシの先っちょのワイルドライフも静かに始動しているのだ.
 
ツクシとハナグモ
 
 
 日当たりの良いところのカラスノエンドウでは既に緑色のアブラムシ(ソラマメヒゲナガアブラムシ)が繁殖し,それを食べるナナホシテントウの幼虫がかなり育っていた.
 テントウムシ類の成虫はどの種も同じような形をしていて基本的にプリティーだが,幼虫は大抵グロテスクだ.小さな世界の怪獣といった趣である.しかも種類ごとに異なる生態を反映して姿形が独特である.甲虫の中ではめずらしい幼虫が魅力的なグループである.
 アブラムシを食いまくるテントウ幼虫は,見ていて飽きない.アブラムシとテントウ,もう少し季節が進むとアリが護衛について複雑な攻防戦が繰り広げられることもある.熱帯魚を眺めて愉しめる方にはお勧めしたい観察である.花を育ててアブラムシに悩ませられている方にもお試しいただきたい.
 
ナナホシテントウ(幼虫)
 

 この日は蝶も数種見かけた.写真は最普通種のキタキチョウで,林縁部で飛んだり止まったりを繰り返していた.飛行中の状態を撮ろうと何度も試みたが悉くハズレ.花から吸蜜中の様子を撮ろうとしても失敗.難易度が低い休憩中の姿がこれである.
 キタキチョウは,十年くらい前までは「キチョウ」と呼ばれていた.ところが実はよく似た種類が混同されいたことが判明.南西諸島には3種類が混生しているという.日本本土のものは「キタチョウ」と呼ばれる一種だけである.なので,このあたりでは「キチョウ」を単に「キタキチョウ」と呼びかえただけである.こんなザコキャラでもまだまだ未解明なことがあるのだ.
 
キタキチョウ
 
 
 
◆立体写真の見方◆

同じような2コマが左右に並んだものは「裸眼立体視平行法」用の写真です.
平行な視線で右の目で右のコマ,左の目で左のコマを見ると,画面奥に立体世界が見えてきます.
大きく表示しすぎると立体視は不可能になります.

色がズレたような1コマのものは「アナグリフ」です.
青赤の立体メガネでご覧ください.
メガネは右目が青,左目が赤です.
緑と赤の暗記用シート等でも代用できます.

別サイト「ヒビムシ Archives for 3DS」にはMPO版を置いています.3DSの『ウェブブラウザ』で「ヒビムシ Archives for 3DS」のサイトを参照してください.お好みの画像を(下画面におき)タッチペンで長押しすると,上画面に3Dで表示されます(数秒かかるかも).表示された3D画像ファイルは保存することもでき,『3DSカメラ』でいつでも再生することができます.

MPO版とは,複数の静止画を一つのファイルにまとめたもので,ここでは立体写真の左右像を一つにまとめたファイルです.3DSをはじめ,多くのmpo対応機器で3Dとして再生,表示することができます.PCやスマホ等でダウンロードできますので,各機器にコピーして再生してみてください.
 
 
 
 
 
-ヒビレポ 2014年4月9日号-

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