明と暗の報告書 第2回

ほとんど犬、でも馬。

木村カナ(レポ編集スタッフ)


湯島〜御茶ノ水界隈をぶらぶらとレポする当連載。
第2回の今回は神田明神の神馬・あかりちゃん観察日記です。


ある日。
あかりちゃんのことをネットで調べていて、夕方、小屋に帰る前に、境内をお散歩する習慣になっていることを知る。
とりあえず5時頃に見に行ったら、すでに小屋に戻っていたので、この日はさらに早く、4時前に行ってみた。
放牧場にいたあかりちゃんがすでにそわそわしている。そこに白装束の神職の男性が来て、先に掃除をしてから、あかりちゃんの支度(※馬着を脱がせ、無口・リードを装着。馬の飼育についての用語は文末で紹介している参考文献を参照しています)をして、お散歩にゴー!
放牧場から連れ出されたあかりちゃんは、散歩中の犬のように、見るからにいそいそと歩く。リードで引かれていったいどこに向かうのか、ファンとして、これはもうストーキングするしかないじゃないか!
行く先は境内と隣接している宮本公園だった。

ぐるぐると円を描いて、快活に走るあかりちゃん(※調馬索と呼ばれる運動方法)。今まで、ぼんやりと立っている姿しか見たことがなかったから、全然印象が違う。すごく楽しそうでうれしそう。散歩中の犬が近づいてきても、まるで意に介さず、ぐるぐるぐるぐる走る走る。しばらく走ってから、小屋に帰っていった。小屋の中でブラッシング後、乾草で夕食。

ある日。
4時前に行くと、巫女さんがふたり、軽くはしゃぎながら放牧場にやって来た。準備をして、あかりちゃんを放牧場から連れ出す。今日は運動しないのかな?と思いながらついていくと、この前とはあかりちゃんの様子があからさまに違う。巫女さんの言うことをちっとも聞かない。勝手に歩いて、勝手に立ち止まる。

「あーもお、あかりちゃん、ちゃんと歩いてよお!」
すっかり困り顔になった巫女さん、お守り売り場の前まで何とかあかりちゃんを連れて行って、売り場の中にいた神職の男性に助けを求めた。この前運動させていたのとは違う人、別の日にあかりちゃんにニンジンをあげていたおじさんだ。おじさんが出てきたら、あかりちゃんの態度が途端に変わって、おじさんの言う通りにいそいそ歩き出した。この日は結局、巫女さんと一緒におじさんもついて、二人がかりであかりちゃんを散歩させていた。
犬が飼い主の一家に序列を作るという、どうやら馬もそうらしい。犬も馬も群れを作る動物。あかりちゃんも例外ではなく、おじさんが上、巫女さんは下、なのだろう、たぶん。

ある日。
昼前に神田明神に立ち寄る。大雪が降ってから、寒い日が続いて、日中も小屋にいることが多かったあかりちゃん、晴れて穏やかな天気の今日は、放牧場に出ているはず、と思ったら、放牧場の地面に、ごろんと横になっているではないか。

お昼寝している……んだよね?
ちょっと不安になって、休憩所のレジの女性にきいてみた。
「あかりちゃん、今日は寝てる、んですね? 横になってるんですけど、具合が悪い、とかじゃないんですよね?」
「ああ、あかりちゃん、あそこでもよく寝ちゃうんですよ、犬みたいな恰好で寝ちゃうんですよねえ」

なんとなく、馬って立ったまま寝るものだと思いこんでたから、びっくりした。

ある日。
冬の間はたいていじっと立っていたけれど、暖かくなるにつれて、ひなたでゴロゴロしていることが増えたあかりちゃん。

この格好は犬というより猫っぽいですね。馬も香箱を作る。

※参考文献
小さなウマ好き編集部 編『小さなウマ飼いになる ミニチュア・ホース、ポニー、在来馬の飼い方』誠文堂新光社、2010年

「本書は、家庭で飼える体の小さいウマ、ポニー・ミニチュアホース・日本在来馬の飼い方を中心とした、小さなウマに関する情報が満載の書です。内容は、実際に小さなウマを飼っている人のお宅訪問記事、飼い方、種類、歴史、コミュニケーションの方法、小さなウマのいる牧場の紹介、海外の小さなウマ事情、かわいいウマの雑貨など、かわいくてかっこいい小さなウマを美しい写真満載で紹介します。ウマが好きな人、ウマを飼ってみたいと思っている人、既に飼っている人、すべてのウマ好きに捧げる本です!」

http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=2870


https://mapsengine.google.com/map/edit?mid=znWZk_wCdeJc.k0znbXsQH6y0

-ヒビレポ 2014年4月8日号-

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