超小市民あるあるパラダイス  第3回

イマドキの診察あるある

 
田中稲(11号で「大阪から来た女」執筆)
 
 
 
 
春ですね。アレルギーの季節ですね……(泣)。
といいつつ、私は小さい頃から超がつく万年アレルギーっ子なので、春だからと言って特に驚かないぞ!
年中鼻はカユいわ目はカユいわ。えーん。

私は体はデカいが、基本的に虚弱体質である。ちょっと疲れただけで全身ブツブツ出るといった異変はしょっちゅうなのだが、しょっちゅうなクセになぜか慣れない。毎回、初めて見た症状かのように新鮮にビビってしまうのである。
「あわわわ、私、重症??」
「あわわわわ、私、なんかヤバい??」
「あわわわわわ、私昨日なんか妙なもん食ったっけ???」
そして、この世の終わりのような顔をして
「すいません、もしかして即入院かもしれません」
と宣言し、ひゅるりーと風に舞う枯葉を背負いながら(←イメージですイメージ)、病院に行くのが毎度のパターンとなっている。で、入院どころか点滴すら打つ必要のないことが分かり、
「なんじゃい、なんじゃい!」
とやたら元気になって帰路につくという。要はストレス&考え過ぎなんですね。とほほ。
この私の一人相撲でウッチャリウッチャリ状態、たまーに見る分ならあまりにもバカバカしくて笑えるが、毎度毎度これに付き合わされる事務所の社長は正直もうウンザリなようで、最近では
「田中さん、〝気の病″というのがあってだねー」
と病気の心配以前に、お説教に入る勢いだ。
いやもう、仰る通り。明らかに社長の言うとおり私が考え過ぎなのだが、調子の悪い時は
「病気かもビョウキかもあわわわわ」
というネガティブ思考でパンッパンなので、周りの呆れ顔もスルーして、現在身に覚えのある体調の悪さをガンガンキーワード検索するという荒業に出てしまう。
 

 
いやもう、コレ、やっちゃいけないナンバー1だと思う。
「症状をネット検索」!!!

んもう、インターネットは容赦がないぞ。想像してなかった恐ろしい病名がズラッズラ出てくる出てくる!!そして、それを見て不安が100倍くらい膨らんでしまい、余計に具合が悪くなるという負のサイクル。
私は胃腸の調子が悪くじんましんが出ていた時期これをやって、ドエライ量の深刻な病名が出てきて
「あああ全て思い当たる節があるッ。もうダメだああああ!!!」
と頭を抱え、早くも幼き日の思い出がグルグルと走馬灯のように巡ったのであった。

そして、「これは覚悟して病院に行かなくちゃ」と、病院に行ったのだが。これまた
「疲れが出ちゃったかな?季節の変わり目のアレルギーだねふんふん」
と済ませる医者。いやちょっと待てい!ネット検索で生半可な病気の知識を得た私、右手を前に出してノンノンと人差し指を横に振る。
「いや、でもこのブツブツの出方、ちょっとおかしくないですか。●●という症状に似ているんですが」
ネットで調べた知識をひけらかす私に医者は困ったねェ、という笑い方をして
「●●はこんな出方しません。大丈夫ですよ」
と引き下がらず。
おっかしいなー。ネットに書いてあって間違いなくコレだと思ったのに。私は思わず反論した。
「だってネットに●●の症状だって書いてありました!」
すると、今まで苦笑いだったお医者さん、サッと真顔になり、なんといきなりこう叫んだのである。

「そんなにネットネット言うんならネットに治してもらいなさいッ!!」

ひょーーーーー!!
あまりの言葉に固まってしまう私。
えーと、あの。いやホントに。あわわわ。げげげげ(動揺)。
確かに仰る通りでございますぅ。ひー。
私はネット検索で宇宙人グレイの如く頭でっかちになっていた自分に急に恥ずかしくなり、うな垂れた。
お医者さんも、顔中のシワを鼻にギュワッと集め
「うわ俺、患者相手におとなげねー」
という気まずーい空気を醸し出してらっしゃる。

凍りつく診察室……。

これは、怒らせた私が罪ほろぼしに、口を開くべきだろう。そうだろう。
「ああああの、じゃあ、季節変わり目のアレルギーということで」
「ああ、そうそう。あまり考え過ぎないで。アレルギー止めのお薬だけ出しときますね。ハイ次の方〜」

いやー、己が恥ずかしかった。もう思い出しただけで顔マッカッカになりそうなくらいである。
「だってネットにこう書いてあったしー」
私が一番苦手とする最近の若者のセリフではないか! うぉー!!
それを無意識に使っている自分のおバカさんっぷりよ(泣)。
多分、最近のお医者さんは私のような患者に何人も当たっていてウンザリしているんじゃないだろうか。
先生、この場を借りて、本当にあの説は申し訳ありませんでした……。

 
 
 
-ヒビレポ 2014年4月17日号-

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