明と暗の報告書 第3回

としごえのまつり、さくらまつり。

木村カナ(レポ編集スタッフ)

湯島~御茶ノ水界隈をぶらぶらとレポする当連載。
第3回の今回は神田明神「崇敬会春まつり」について。

 桜の開花とともに、神田明神周辺は、春のお祭りウィークとなった。
 ポスターによれば、4月3日木曜日に「春大祭(祈年祭)」がとりおこなわれるとのこと、もしかしたら、あかりちゃんも神馬として出動するのかもしれない、と、手帳にメモするぐらい楽しみにしていたのだが……4月3日当日は、朝からあいにくの雨。
 雨は苦手なのだが(「白と黒の報告書 第8回 雨ニモマケズ」参照)、用事があってどうせ外出はしなければならなかったので、その前に神田明神に立ち寄ってみることにした。

 風雨が強く肌寒い午後、桜は満開なのに人気がない境内。それでも御社殿からは和楽器の音が聞こえてくる。中では春大祭の儀式が粛々ととり行われていた。
 さて、あかりちゃんはどうしてるかな、と思ったら、小屋の中でじっと立っていた。

そういえば、雨の日のあかりちゃんを見るのははじめて、
天気が悪い日にはいつもこうして、ずっと小屋で過ごしているのだろうか。

「あかり」の名前入りポリバケツ発見!

 土日・祝祭日のみ開館のはずの神田明神資料館が、特別にオープンしていたので、入って見ていくことにする。
 社殿のところの受付で拝観料300円を払い、脇の通路をぐるりと回って行った先が、資料館の出入り口だった。備え付けのスリッパに履き替えなければならず、雨だからって長靴を履いてきたことを軽く後悔した、だって、脱ぐのがめんどくさい上、下駄箱に入らない……仕方がないので、脱いだ長靴を下駄箱の上に置いて、と。
 雨降りの平日の午後、崇敬会員のお歴々は御社殿でご祈祷の真っ最中、わたし以外に誰もいない、資料館まるごと貸し切り状態ですよ。展示室は2階と3階、パタパタとスリッパで階段を上がったら、あれっ、展示室、真っ暗だよ……?
 「節電のため、展示室内に人が立ち入ると、明かりがつく仕組みになっております」云々という貼り紙がしてあった。だったら、入場者が自分でスイッチをいじるようにすればいいだけじゃん、と一瞬思ったが、そこら中に「監視カメラ作動中」の貼り紙もしてある。照明を入場者に任せて、暗がりの中で、大切な社宝や貴重な資料に、万が一のことがあってはならないからこその、自動消点灯なのだ、きっと。
 神田明神および神田祭を中心に、江戸の生活や文化全般、神社の基礎知識も紹介している展示は、なかなか興味深いものだった。江戸から明治への転換、激変があった一方で、神田明神への信仰心や神田祭の賑わいは、変わることなく引き継がれて、現在に至っている。そういう風に考えると、明治大正、戦前のこの辺りって、風景は移り変わっても、江戸の雰囲気はまだかなり残っていたんだろうなあ、と、古い写真を眺めながら想像したりした。
 それにしても。展示物保護のために暗めにしてある照明が、部屋の半分ずつに分かれていて、自分の動きに合わせて消点灯する、っていうのは、やっぱり落ち着かなかった。展示を見ている途中で、部屋の真ん中あたりに来ると、パシャッと音を立てて、点灯部分が切り替わる。薄暗い展示室内で、ひとりぼっちで、つい挙動不審になってしまった。作動している監視カメラをリアルタイムで見ている警備担当者がいるのか、あるいは録画が保存されているだけなのか、どちらにせよ、この客の動きはどうも怪しい……とマークされてしまったかもしれない。照明が切り替わるたびに、いちいちビックリした表情を浮かべてキョロキョロと周囲を見回す、雨の午後のひとり客。祭礼の衣装を着た男女のマネキン人形を見て、突如にやついたりもしてさあ。あー、こんな昭和の洋品店なマネキン、久々に見たかも、って思いながら眺めてただけなんだけどね。
 ちなみに資料館内は撮影禁止でもあったので、写真はありません。

屋上庭園、春爛漫の花盛り、雨に濡れて。

お天気に恵まれた春まつり最終日、お囃子奉納演奏。

春まつり最終日、桜の花びらをひたすら食べ続けていたあかりちゃん。
桜の花びらってそんなにおいしいの……?
食べすぎでお腹を壊すんじゃないか、と心配になる勢いでパクパク。

https://mapsengine.google.com/map/edit?mid=znWZk_wCdeJc.k0znbXsQH6y0

-ヒビレポ 2014年4月15日号-

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