超小市民あるあるパラダイス  第4回

電化製品ニガテあるある

 
田中稲(11号で「大阪から来た女」執筆)
 
 
 
 
突然だが、私は電化製品にもココロがあると思う。
田中さん大丈夫ですか最近疲れてませんかというツッコみはちょっと待たれぃ。
もちろん、電化製品が
「タラタラいいかげんな使い方してんじゃねーよ、説明書読めよ!!」
とツッコんでくる幻聴が聞こえるわけではない。
「掃除してーお願いだから掃除して―埃っぽいのぅゲホゲホ」
と涙目で訴えてくる幻覚が見えている訳でもない。
しかし、それに近い動作をすることが現実にあるのだ。言い方が難しいが、なんというのか使っていくうちにミョーな人間臭さみたいなのを感じるのである。
 

 
特にパソコンはよく使う漢字変換を覚えてくれるせいもあり、使い慣れるほどに「自分の事をものすごくよく知っている友達」みたいな感覚に襲われることがある。痔に悩み治療法検索を繰り返していた数年前など、「地主」と打つと「痔主」と自動変換され、
「パソちゃん、そこまで先回りしなくてもいいから、うん……」
とおせっかいな彼女(私のイメージでは自宅のパソコンは女性)に戸惑ったものだ。
もちろん、フレンドリーな反応ばかりではない。私の周りでも結構よく聞く話なのだが、パソちゃん達、けっこうイケズである。ここぞという時に職場放棄しやがるのだ。
「 神が降りて来たきたっ♪ 素晴らしい文章が書けたぞ。保存保存―」
ぶつっ。。(←前置きなく電源が落ちる音)
「ぎぇあああああ!!!」
「この資料、あと一回しかダウンロードできない。サッサとしないと先方さんに怒られる」
がっちーん。(←途中で画面が固まる音)
「ひえぇぇぇぇぇ!!!」
このように「なぜこのタイミングでバグる?」という事が多々起こるのだ。うーん。パソコンたちにココロが宿り、長時間労働を強いる人間に対して訴えている(もしくは復讐)ようにしか思えない。

それでもパソコンは仕事と直結しているので、否が応でも付き合っていかねばならない。
が、家電は本当に立場的に中途半端でツラい!! DVDプレーヤーとか欲しい。けどボタンがついている機械のあの威圧感がもうダメ。
「ひとつ押し間違えたら誤作動起こして壊れちゃう可能性があるけどアンタ大丈夫?」
的なプレッシャーを感じ、「じゃあもういいや…」と脱落してしまうのだ。
そして、電化製品の多くはそんな私の性格をちゃんと見透かし、見下している(キッパリ)。
というのも、これまで、
・私が触ると作動しなかった電子レンジが、姉が触った途端正常に作動する
・私がスイッチを入れても動かなかった掃除機が、先輩がスイッチを入れると正常に作動する
など、電化製品たちにピンポイントでストられる経験、両手で足りず。いや、これはきっと私だけではない。電化製品がニガテな人たちには、本当によくある現象なのだ。間違いなく彼らは我がアナログ派をナメてやがる!

いやもうこんな日々だから、電球の交換だけでもわが家は大騒ぎである。新しい電球を買っても「電気がつく」という保証はどこにもない(商品の保証は別にして)。なんてったって電化製品にナメられているのだから。オカンもそれをよーく知っている。しかも、オカンも電化製品にナメられている。親子揃って危険。
前回行われたトイレの電球替えはもはや「神聖な儀式」状態であった。椅子を押さえるオカンと、椅子に上り、ゆーっくりゆーっくり電球を回す私。そして、唾を飲み込む音とともに響き渡る合図の声。
「スイッチ・オン!」
無事コウコウと明るく電気がつき、「クララが立った!」と同じくらいの勢いで喜ぶ私とオカン。もう毎日がヘトヘトである(泣)。

まあ、人と人の交流でも、自分をあまり知らないのに「何かニガテ」と決めつける輩にいい感情を抱けないのは当然の事。電化製品の気持ちとて同じだろう。電化製品たちがこんなにアナログ派にツレナイのは、
「たくさんの機能でアンタの日常便利にしてやろうと思ってるのに、なに? そのビビり具合」
ってなもんかもしれないなぁ。反省。

 
 
 
-ヒビレポ 2014年4月24日号-

Share on Facebook

タグ: Written by