超小市民あるあるパラダイス  第5回

齢取ったなあと実感するあるある

 
田中稲(11号で「大阪から来た女」執筆)
 
 
 
 
♪ど〜んなお金持ちも避けられない
 じ〜かんはお金で止められない
 だ〜れでも平等に訪れる
 そ・れ・は 老化 老化 老化だよ
 ライラライラライラライ…

いかがでしょう。田中稲作詞「そ・れ・は老化」。曲はちょっと突き放したような、若き日の吉田拓郎的フォークを思い浮かべて下されば嬉しいかと。
いやはや、冗談はさておき、齢取ったなーとつくづく実感する事が多い今日この頃。どれだけ「20代に負けへんどー」と息込もうが、朝起きる時腰が痛いとか、目がシバシバするとか、ちょっと飲み過ぎただけで次の一日まるっきり使いものにならないとか「あなたは間違いなく40代!」と体が訴えてくる。とほほほ(泣)。
もちろん、誰しも小さい頃から「齢取っていくでちゅ」と自覚している訳ではない。それどころか「私だけは齢取んない!」くらいの勢いでピチピチ状態が永遠に続くと信じているもんである。成人式を迎えても「酒飲める」とは思っても「齢取ったなあ」とはまだ思わないだろう。それが、ある日突然
「あれ、私オバサンになった?」
と自覚するに至るきっかけがある。私の数少ない友人にアンケートを取った結果、
 

 
「オッサンに見えていた夏の甲子園球児がカワイイ年下に見え始めた時」

どうやらこの瞬間が、ファースト加齢実感ポイントであるらしいことが判明した。うーむ、確かに。いつからだろう。小さい頃はお兄ちゃんというより本当にオッサンに見えた高校球児。ところが気が付けば
「この暑い中走り回って若いのぅ若いのぅ」
と弟を見るような気分になり、今や息子を見るくらいの勢いで見守っているぞ!

この「高校球児が年下に見えはじめる」通過点がまあまあだいたい20代半ばとして、同じころ女性は「早い組結婚ラッシュ」というもう一つの加齢ポイントを体験する。女性が一番きれいなこのくらいの齢に、ウエディングドレスに身を包む友人を見て、引き出物のバームクーヘンとか皿とか入った紙袋を持ちながら
「ウエディングドレスは若いうちに着るべきぞなもし」
と俄然早急なマリッジプランに焦り出すのである。ところが、世の中早々簡単に行くわけはなく(なんか一般論ではなく私個人の話になってますがもういいですよね)25歳後半からが長いッ!!彼氏がいつプロポーズしてくれるのか、誕生日やらクリスマス、お盆に至るまでイベントがあるたびに
「今日か? 今日なのか? 早くしてくんないと私も齢取ってくばっかだし! もうすぐ30だし!」
と年齢を数えつつ待つことになるのである。そう。結婚を意識し出すとき、女は加齢も超意識するのだ!
そして30代に突入すると、「嗚呼三十路」ここからは坂を転がる石の如く、お肌の調子、体調、チヤホヤされ度がゴロゴロゴロゴロ下降線をたどっていくのであーる。で、自分的には加齢に対する諦めが出てくるというか、正直もうどうでもよくなる(遠い目)。なぜかというと、自分が意識せずとも周りが「お前齢食ってんぞ」と指摘してくれるからである。けっ。
忘れもしない。私は30代前半の頃、とある飲み会で横に座った男性チームから下ネタをふられ、一応純情可憐をアピールしとこうかのぅと「そんな話恥ずかしいですぅ」とモジモジ照れたポーズをしたところ、露骨に
「えっ、30過ぎて下ネタに照れても逆に痛いから! 」
と言う冷ややかなツッコみとバカ笑いが返ってきた。このツラすぎる体験を通し
「30代でブリッコは自爆行為」
とやっと悟った。気付くのが遅ーい!という指摘もあるだろうが、人の歩みはそれぞれなのだ!(逆ギレ)

最近では、季節の変わりめに衣替えをするたびに、服が似合わなくなっていて愕然とする。サイズ的に入らないという根本的な問題はともかく、1年前くらいまでバッチリ似合っていたお気に入りの服をルンルンでタンスから引っ張り出し着てみたら、色から柄からすべて
「若作りだす!」
という雰囲気になった時の衝撃よ……。この1年間私になにがあったーーーッ!? 加齢のさりげなくも恐ろしい老化パンチ。鏡の前でヨヨヨと泣き崩れた夜も数え切れずである。
しかし、人間は無いモノねだり。若い子しか似合わないフリフリとかレースとかリボンとか、今頃やたらと着たくなるのだ。日々分泌量が減っていく女性ホルモンが悪あがきしているという説もあるが、確かにそんな気がする。理屈じゃなくて本能が欲するのよ、フリッフリを! ラブリーデザインを!
もしタイムマシンがあったら大学時代に戻り、モノトーンの地味な服ばっかりを選んでいた自分を
「もっとヤングでキュートな服を着んかボケッ」
と後ろから張り倒したいわ! でも若い時は気付かないんだよなあ、この加齢とともに到来する若さエナジーの渇きと欲求……(遠い目)。

仕事でも「結婚していればこれくらいの年齢の子どもがいたのかなぁ」と思うようなピチピチ君が担当となり、その会社のトップ(編集長なり社長なり)も自分より10も年下、なんてことがザラに出てきて、齢取ったなあというより「私ノンキに生きてきすぎたなあ」と己の人生のふがいなさを実感する事が多い(号泣)。
先日、友人のメールに
「なんかんだ言って、お互いバカボンのパパの年齢を越してるからな!」
と書いてあり、これまた頭を抱えた。うわあああ本当だ。41歳の春を越えてるッ。しかもとっくに! 昔bakabonのアニメ見てたときなんか、バカボンのパパなんて超じーさんにしか見えなかったのに!
ちなみに現在、私は橋下徹大阪市長と同じ年である。そして浅香唯と全く同じ誕生日である。
ハイ、田中さんまとめ方が分かんなくなりましたねというツッコミはノンノン……。

 
 
 
-ヒビレポ 2014年5月1日号-

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