超小市民あるあるパラダイス  第6回

誤字脱字あるある

 
田中稲(11号で「大阪から来た女」執筆)
 
 
 
 
誤字脱字。それは恐るべき魔物。何度も見直して大丈夫だったのに、校了し、届いた見本誌を読んでから
「あれれ? ここ、間違えてる!」
とあぶり出しのように見つかる事もあり、本当に油断できない(のは私だけか?)。
ただ、これをテーマにすると、自然と私のオチョケヒストリーも露呈することになるが、あえて己のふがいなさをネタにすることで、反省と今後の仕事への姿勢に反映出来たらぷしゅるー……←途中で息切れ。
いやもう、どんな職業でも文書を作成する場面はあるだろうし、きっと、いや、絶対皆さん、長い人生の中、いろいろゴジ・ダツージ(せめてオシャレに言ってみました)をやらかしているはず。お互いの傷をなめ合おうではないか!
 

 
誤字脱字には単なる文字の打ち間違えはもちろん、そりゃもういろーんな種類があり、
・漢字変換間違い(意志→石)
・書き直しによる文字や接続詞の消し忘れ(例:私はが田中稲という名前だです)
・数字、年号の間違い(例:昭和2014年)
・固有名詞、題名の思い込み間違い(例:デンゼル・ワシントン→デンジャラス・ワシントン)
などなど、もう落とし穴なんぞいくらでもある。
特に「漢字変換間違い」はワードなどの校閲機能をスルリンと通過してしまうので要注意だ。
実は私も健康食品会社に就職した20代の頃、ドデカい誤字花火を上げた苦い思い出が(泣)。野菜ジュースだったスープだったかのチラシでデザイン、コピーを担当したまでは良かった。上司のOKをもらったまでも良かった。ところが、200部ほどプリントアウトした後「やっちまった」箇所に気づいたのだ。
商品写真の端っこの方に謳っていた「無農薬」という文字が一部分、あろうことか
「無能役」
となっていていたのである(今思い出してもぎゃーーーー!!)。
気付いた瞬間の、ジワーッと手が汗で湿ってくるあの感触は今でも思い出すと胃が痛くなる。200部がムダ!当時はまだエコとかそんなにうるさくなかったけど、間違いなくモッタイナーイ…。いやもうホントにお前が無能じゃー!という感じである(泣)。確か、私と上司は呼び出され、社長か部長にものすごく怒られた気がするが、よほどショックだったのだろう。どう怒られてどう後始末したかサッパリ覚えていない(泣)。
まあ、それに比べて今はだいぶんマシになったなあ、成長したよのぅなどと余裕をぶっこいて自分のヒビレポを読み返していたら、なんと前回の「齢取ったなあと実感するあるある」でも私はやらかしていた。最後の部分「バカボン」のくだりで、なぜか一か所だけ「bakabon」とローマ字変換にしていて、オシャレな海外アニメみたいになっていた(汗)。なんであんなことになったんだかサッパリ分からないぞ!

誤字脱字は間違いなく「ミス」であり、避けるべきものなのだが、私の知り合いがご一緒しているライターには、誤字脱字が多すぎてもはや個性になっているという「誤字脱字の匠」がいるらしい。その方の誤字脱字のレベルの高さは、編集の方すら半ば楽しみにしているスットコ度というからスゴい。その中でも、クライアント様に対しての、この彼の謝罪メールの一文はもはや伝説になっているという。
「大変申し訳ありませんでした。これからは気を付けまそん」
ううむ、短いメール文章すらも見直さないのか、匠(汗)! しかも締めくくりを間違えているので、これから気を付けるか付けないのか肝心の意思表示がものすごく分かりにくくなっているぞっ。いやはや、しかも匠、こんな具合でも仕事が途切れないらしいから、本当にミラクルである。きっと情報力、人間力で他のライターとは違う魅力があるのだろう。すごいなあ。私のような凡人が真似をすると、一気に路頭に迷うので参考にはしないでおこう…。

私が自分以外の誤字脱字を発見し青ざめたのは、6年前に一部執筆協力で参加した書籍。見本誌が送られてきてワクワク読み進めたが、あとがきの締めに書かれている日付を見てのけぞった。
「20008年 ●月〇日」
ににににまんはちねんーーーーーッ! なにこれ未来本?? 誰か気付いてあげられなかったのか。いや、気付いてあげられない時はだーれも気づいてあげられないのが、残酷な誤字脱字ディスティニーなのである…。

まあ「丁寧な見直し」という聖なる作業を心静かに遂行すれば、誰だってゼロにできる誤字脱字。うーむ、とはいえ、面白く、読みやすく、なおかつ間違いゼロの正確な文章を仕上げるって本当に集中力がいるもんで、精神鍛錬の修行みたいなもんだと思っちゃうのは私がまだまだ未熟なせいかしら。せいですね。ハイ、精進します…。

 
 
 
-ヒビレポ 2014年5月8日号-

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