歌謡な毎日を送っております。 第3回

読んでJYU-KETSU〜オカンの本棚

 
田中稲(11号で「大阪から来た女」執筆)
 
 
 
 
これを書いている今日。
台風19号が接近しているという事で、
ニュースやらなんやらが
「気を付けあそばせ! 外出はノンノン!」
と大騒ぎでございます。
……とはいえ、外は言うほどでもなく。
外でガキンチョが遊びまわっている声が聞こえるし(注:大阪13日15時現在)
とかいいつつ、予報を馬鹿にして電車に乗り外出した途端、
天候が
「ばーかめ! お前がノコノコ出てくるのを待っとったんじゃい!」
とばかりに急転して嵐フキアレーニョになる可能性も無きにしもあらず。
とりあえず自宅待機をしてレポを書いております、田中です。

さて、今回の題名「読んでJYU-KETSU」。
どんな内容かと言いますと、読んで字のごとく「読んで充血」。
本を読み過ぎて目が充血しがちな、無謀な75歳緑内障オカンの読書歴を
70年代のアイドル歌謡みたいな雰囲気で表してみました。
 

【題:読んでJYU-KETSU 作詞:田中稲】

眼科の制止も ナイ、ナイ 聞かNAI!
新聞 広告欄のボディコピーまで 狙いうち
活字を読まなきゃ 毎日ブルー
今日もほら ウサギの目して300ページ読破♪
読んでJYU-KETSU!
読んでJYU-KETSU!
ah ネタばれ禁止よミステリーナイト


 
いやー、「充血」をローマ字表記にするあたり、シャレオツ感たっぷりですよね!
メルシーボーク!(←すいません完全に方向性見失ってます)
さてさて、書き殴り感アリアリの歌謡歌詞は置いておき。
オカンは典型的活字中毒であります。
特にミステリー大好き。
ということで、前の家の本棚はどえりゃーことになっておりました。
角川文庫の横溝正史シリーズがぎっしり。
金田一っつぁん大好きなのね。そうなのね。
子どもながらに、「悪魔の手毬唄」やら「獄門島」やら
おっとろしい題名と黒い表紙がダダダダ―ッと並んだ本棚は
本気で悪魔が降臨しそうな呪い感ダダ漏れゾーンでコワかった…。
けれど、棚の一番いいところに飾ってあるのは、金田一っつぁんじゃございやせん。
彼女が「神」と崇める松本清張。しかもハードカバー!!
「好きな作家はできるだけハードカバーで読む。文章だけでなく、表紙と重さで読む。それが読書の醍醐味」
ドヤ顔で名言出ましたー(滝汗)。
オカンの本に対するリスペクト精神、リスペクトせずにはいられません(←なんだかややこしいぞ!)

で、そんな彼女の宝物がコチラ。
「ほるぷ名著復刻全集近代文学館」本棚付き。
 
写真 1
 
昭和の名著全112点、136冊が、初版のままの紙質、表紙を再現して本棚ごと売られていて、もういてもたってもいられず、オトンに相談もせずその場で即決したのだとか。
とはいえ、セット価格60万円。60まんえんっ!!(驚きすぎて2度叫ぶ)。
何買ってんのーーッオカン――ッ!!!
まあ、その後妻に関してはドケチ丸出しの典型的昭和的亭主関白なオトンとの修羅場がありーの、
オカンはローンでコツコツ自分で購入したわけです。
自分で買ったら愛着もひとしお。
配置もちゃんと決まっていて、軽々私のような愚民が動かしちゃならんのだす。
読まないともったいないのだけど、読むのがもったいない!
汚したらそれこそオカンに大阪湾に沈められそうな勢い(いやホントに。)。
 
写真 2

もう芸術品の域!!かっちょいー!!くうっ。本はこれだよ、これでなきゃなんだよっ。

 
もう一つ。オカンコレクション、ハヤカワミステリー、略してハヤミス。
一時、ルース・レンデルなる作家にハマっていて(私は読んだことない)
そういえば一時期本屋に行くごとに、オカンが
「レンデル!! レンデル!!」
と取り憑かれたかのように徘徊して探し回っていた覚えが。。
その姿、子ども心に怖かったですよ、お母さん。
あの麦わら帽子どうしたのでしょうね…。いや違う違う。
あのルース・レンデル、どうしたのでしょうね。
 
写真 3
一度古本屋さんに売ろうとして思い切りが付かずやめていた…。
ハヤミスの中に、ナンチャラという題名の幻の一冊があるらしく、
それを古本屋さんが「20万くらい付くらしいですよ」と必死で探していたけど
なんていう題名だったかなあ。ご存知の方いらっしゃいましたらご一報を。

現在、緑内障と加齢黄斑変性症というダブル疾患で
無理したら失明するぞ!と何度も眼科から注意されている彼女ですが、
活字への執着は医者の忠告より深し。
毎朝、毎晩、新聞と挟まっている広告を隅から隅まで読んでおります。
しかしこの間、桐野夏生の超分厚いハードカバーを2時間で読破し、
目がどこぞの宇宙人のように充血していたときは、
わが母ながら、さすがにコワかったです(泣)。
そんなオカンに、
「日本で一番文章がうまいなあ、と思った人は?」
と聞いてみると、神である松本清張の名前が当然出るかと思いきや、
「一昔前の伊集院静さん」
という答えが出てきてビックラしました。
ミステリー作家ちゃうんかい!!

 
 
 
-ヒビレポ 2014年10月21日号-

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