歌謡な毎日を送っております。 第4回

誘われて和歌山

 
田中稲(11号で「大阪から来た女」執筆)
 
 
 
 
「ああ、旅がしたいわ。そうね。一人あてのない旅…」
こんな気分になること、皆様もおありでしょう。
私も土曜のそりゃもう爽快な秋晴れを見てそう思ったわけです。
とはいえ、いくら「あてのない旅」といっても、方向くらいは決めておきたい。
(でないと電車に乗れない……)
そんな私を和歌山に誘ってくれたのがこのお方。
南海難波駅でその白いお姿を持て余しておられた、
紀の国わかやま国体マスコットキャラクター、きいちゃん。
 
写真1

↑紀州犬がモチーフなんだそうです……。
いらぬアドバイスだとは思うが、もう少しデザインにパンチが欲しいぞ!

 

 
きいちゃんが配っていたのは「南海電車で和歌山にいこう」的なパンフレット。
以前から行きたいと考えていた高野山のパンフもあったが、
前日しこたま深酒をしてしまった私。
アルコールが残っているこの汚れた体を空海様に晒してよいものか……。
いや、イカン。きっとイカン。イカンなー。
ということで、行先はとりあえず南海本線の和歌山市にロックオン。

さあ、ラーメンが、和歌山城が、私を呼んでいるわ―ッ。
途中で通るはずの紀ノ川も拝んで有吉佐和子オーラを取り込むのよーッ。

鼻息ムンムンで、南海本線和歌山市行き急行に乗りこんだのでした。うふふ。
ああ、旅が始まるわ。ワクワク!
きっとテレビ番組なら、ここらへんでテーマソングが流れるのよね
岬めぐり的な。
 
misaki

↑ジャケットは驚くほど旅感が無いぞ。それでいいのかコウタロー!

 
電車に揺られる事、約1時間。
天気のいい日に電車に乗ると、眠気がハンパないっすね。
海超え、山超え、田んぼ超え。

すかーーーー。。。

はっ!!!
気が付いたらそこはもう和歌山市駅(号泣)。
見逃した。紀ノ川見逃した……。
ぬおおぉぉぉ、有吉佐和子さーん! 帰りは必ずっ。
 
写真 2

↑和歌山市駅でございます。人むっちゃ少ないけど駅はでかい!

 
さて、これからどこにいこうか。
和歌山に関して全く知識が無いんだよなー(汗)。
ラーメンを食べるべきだろうが、まだお腹は空いていないし。
ラーメンの他に、和歌山と言えば。
………。
ボー然と和歌山市駅の真ん前で5分ほど気を失う私。
和歌山と言えば。わわわわ和歌山と言えばっ。

わきゃやまじょう。和歌山城ッ。(←やっと脳みそからひねり出てきた)

スマホでシャシャシャーッと調べてみると、
まあまあ近そうな感じ……がする。きっと近い。多分近い。
しかし、私の「○○そうな感じがする」は当たったことがないという(号泣)。
今回も例外ではなく、エッチラオッチラ歩いても歩いても城につかない!!
遠い。遠いぜ、和歌山城。
きっとテレビ番組なら、ここらへんでテーマソングが流れるのよね
思えば遠くへ来たもんだ的な。
 
omoeba

↑さすがな鉄矢の旅情感。

 
で、やっと。やっと和歌山城が見えた―ッ!!
なのに、思ったより嬉しくない―ッ。ってか、喜びよりヘトヘトが先じゃいー。
もうこの時点で、普段の運動不足がたたって足ボロボロ。
早く城の全体像見てサッサと帰りたい。ナンバに帰ってアップルパイ食べたい…。
ホトホト旅行とか観光に向いてないなあワタシャ、と思いつつ、入り口を探してウロウロするも。
どっから入れるんですか、城の中に(茫然)。。。
ひーはーと外壁の周りをグルグルし、諦めかけた途端に、やっと入り口を見つけたのですが、
その先には無情にも超過酷な石段があり、「これを登らんと天守閣に行けんで」的な看板が!!
殿っ、もったいぶりすぎです、殿っ。城がそんなにエライんかー!!(逆ギレ)
 
写真saka
↑もう足痛いんっすけど!登るのヤなんっすけど!!

 
しかし、ここまで来て城を見ずに帰るというのは、
試験会場まで来て、試験を受けずそのまま帰るのと同じ気がする(そうか?)。
ということで、この辺からはもう意地。
登りましたよ、ええ。石段を。足ぐねったですよ。とほほほほ。

で、無事和歌山城を近くで拝むことができましたが。
周りに聞こえるのは中国語ばかり……。ホワーイ!!!
どうやら中国人観光客の団体とバッティングしたようです。
和歌山城に来たのに、なぜか万里の長城に来たような錯覚に陥る私。
ここは日本か? 日本だよね??
 
写真siro

↑和歌山城。こう見ると美しいですね。
しかーし、撮影している時は疲れ果てて意識モーロー。何の感情も無かった…。

 
和歌山城に見惚れること5分(みじかっ)。
この時点で、もう和歌山城より、帰路が心配でたまらない。
あの道のりを、今の体力で!しかも迷わず!
もう一度戻れるのか、私。戻れる気がしない。
そして、こういう時の不安は当たる…。

城から出られないんですけど――――ッどーっどーっ(こだまでしょうか…)

来た道とは違う、緩やかな方の石段を降りたはいいが、
来た時と違う場所に着いたので(当たり前)、自分がどこにいるかわからない!
歩けども、歩けども、周りは緑。
スマホマップの私の位置はいつまでたっても城の中。。。

本気で思いました。
私、残りの人生、和歌山城内で過ごすかもしれない(号泣)。
いやああああ、結婚もまだなのに! 忍者と結婚しろと言うのか―!
ここから出せ―!出してくれー!!! じたばたじたばた!
半泣きで和歌山城をウロウロする事1時間。もう体力も気力も尽き果てた頃、
どこからか見えてきた、観光バスの並んだ公園。
着いた。出口に着いた……!(むせび泣き)。
フラフラながら購入し、飲んだJA和歌山の梅入りジンジャーエールの味は忘れなひ。。
 
jin

↑うまかったです。取り寄せたいくらい。値段いくらだっけ。。

 
ラーメン? んなもん食べる気力残ってますかいな!!!
暗くなる道を、足を引きずりながら和歌山市駅まで帰り、
電車に乗った途端、安心して爆睡。
再び紀ノ川を見逃しました。うぉぉぉぉ、私のおバカさーん!!

誘われて和歌山 誘われて和歌山城
ああ 出られない出られない
人生のラビリンズ

もう、歌詞をひねり出す力もないっすよ。。

 
 
 
-ヒビレポ 2014年10月28日号-

Share on Facebook

タグ: Written by