あのへん! 〜中野阿佐ヶ谷高円寺〜  第5回


グーグルに載らない道

 
島田十万
(第16号で「よろずロックバー『山路』」を執筆)
 
 
 打ち合わせは電話とメールですませて、編集者とは撮影現場で初めて会うというようなことも珍しくなくなりました。編集者というのは忙しいんですね、それに打ち合わせが必要な大掛かりな撮影も少なくなっているんでしょう。
 そんなある日、久しぶりに荻窪駅南口の喫茶店で打ち合わせをすることになって出かけました。
 早めに家を出て、荻窪団地から太田黒公園のほうを回って駅に向かおうとしたときのことです。
 太田黒公園横の道を越えたあたりで、何の気なしに見た路地がすごく変に見えた。狭い路地のなかに街灯が立っているんです。
 
荻窪細い道1


 
荻窪細い道2
 
 自転車では入っていけないぐらいの狭さ。しょっちゅう通っているところなんだけれど、初めて意識して、なんとなく違和感をもった。この狭い道はなんのための道なの?ちょっと行き越してから振り返って1枚だけ写真を撮って、打ち合わせの喫茶店に。
 打ち合わせというよりは雑談の延長、近況報告という感じで終了して、約1時間後に現場にもどりました。
 
荻窪細い道3
 
 行き止まりなのか、どこかに抜けられるのかは分からない。入っちゃいけない道だったりして、途中で人に出っくわしたりすると決まりが悪いな。まあでも、舗装されて街灯が立っているのだから大ごとにはなるまいと思って、自転車を置いて入ってみました。
 
荻窪細い道4

タバコの吸い殻とか空き缶が捨てられていたので、通る人はいるようだ。
右には住宅、左は大きいアパートが建っています。

 
荻窪細い道5
よく手入れされている、右手のお宅の裏庭。

 
荻窪細い道6
右手のお宅には裏木戸があるようだ。
裏口に回る、なんていうのも田舎ではあまり聞かないなあ。ご用聞き用か?

 
荻窪細い道7
突き当たり地点、自転車では曲がれなさそう。右方向に抜けられるのを確認。

 
荻窪細い道8
突き当たりから出口方向を見る。表の通りが見えホッとした。

 
荻窪細い道9
出口から突き当り地点をみたところ。

 
 ボールペン1本の長さはだいたい15cmというのは知っていたので入り口部分を測ってみると、道幅はボールペン6本分で90cm。両側に10cmくらいの縁石がしいてあるから、壁から壁までおよそ110cm。全長は、一歩約70cmのボクの歩幅で85歩、約60mというところか。先日行った高円寺駅前、沖縄料理「きよ香」の前よりも狭いんじゃないかな。
 それにしてもこの幅で機械を入れての舗装作業は大変そうだ。
 調べてみると、用水路だったところだとか。もともとこのへんは田んぼが多かったらしいんですね。敗戦後、上を覆って暗渠にしたのもあるし、ここのように埋め立てて歩道にしたものもあるようです。ちなみにここは区道、「きよ香」の前は私道でした。
 間口の狭い飲み屋が連なる繁華街とか商店街はもちろん都会のイメージだけれど、こういう狭い道も都会的な感じがするんですね。田舎ではあまり見ない。畑や田んぼのあぜ道ならないこともないけれど。
 もっとも、散歩するというのも都会の楽しみで、田舎では用事がないのに歩きまわったりしないんです。
 それほど役にたつとも思えないけれど、こういう道が残っているのは面白いなあ。
 
荻窪細い道10
帰宅して確認してみると、グーグルマップ(杉並区荻窪4-22付近)では
途中から記載がない!
調査員も入って行きづらかったか?
Aが起点、Bが突き当たり地点、Cが出口(記号は作者が書き入れ)。

 
荻窪細い道11
南阿佐ヶ谷駅近くにある細い道。
階段も整備されているが進入禁止、20mぐらい先で行き止まり。
ここもグーグルマップには未記載!(杉並区荻窪4-22付近)

 

 
 
 
-ヒビレポ 2014年11月3日号-

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