あのへん! 〜中野阿佐ヶ谷高円寺〜  第8回


「なんとかバー」と「素人の乱」

 
島田十万
(第16号で「よろずロックバー『山路』」を執筆)
 
 
 友人のお母さんで83歳になるクラシック歌手のTさんと高円寺で待ち合わせ。Tさんはプロではないのですが、長年勉強してきた歌の発表会を一昨年開催し、ボクが記録写真を撮りました。
 白髪は混じっているけれど一度も染めたことがないという髪は黒いし、カクシャクとして、8年前に行ったイタリアで48歳に見られたというのが自慢の陽気なオバアサン。肌もつやつや。
 永年連れ添った旦那を去年亡くして、一人暮らしになったらよけい元気になったと笑っています。
 和光市在住で、用事で高円寺に来ると連絡をくれました。

 ついでにペペにも会いたいから、と「なんとかバー」で待ち合わせ。「なんとかバー」はマスターが毎日入れ替わるスタイルで、毎月第2金曜日はペペの担当になる。
 駅北口を出て2、3分、中通り沿いに「キタコレビル」という建物があります。1Fに「ハヤトチリ」という変な洋服屋。並びの2Fに「サウスポー」というこれもちょっと変わった洋服屋。
 木造、というよりバラックという感じで、高円寺でもここまでヨレヨレの建物はあまり見かけません。ここは何度通っても、写真を撮ってしまう。古くてごちゃごちゃしたものっていうのは絵になりやすいのですね。
 
高円寺なんとか306

「キタコレビル」1F「ハヤトチリ」


 
高円寺なんとか129
2F「サウスポー」も洋服店。左奥はバー「唐変木」。

 「なんとかバー」は「素人の乱」が経営する飲食店のひとつです。ウィキぺディアで「素人の乱」を検索すると「貧乏人大反乱集団」という任意団体を主宰している団体、と仰々しく載っています。確かに、福島原発の事故の後、日本で初めて大きなデモを組織したのが彼らですが、古道具屋とか古着屋とかを経営しながら活動している真面目な集団というのがボクの印象。少なくても恐ろしい集団ではなさそう。
 
高円寺なんとか139

「ハヤトチリ」のショーウインドー

 
高円寺なんとか123
高円寺なんとか140
「なんとかバー」の看板と本日「ペペロジBAR」の案内板。店名も日替わり。

 
 Tさんは、酒はワイン1杯くらいしか飲みませんが、興が乗れば朝まででもしゃべっていられるという話し好き。若い人と話がしたいと、だれにでも声をかけます。
 本日、となりで飲んでいたのは30代半ばの男2人組。一人は宮崎県からヒッチハイクで高円寺に遊びに来たばかりといい、これにはTさんも大喜び。

 クルマ7台乗り継いで、約19時間で到着。案外成功率はいいそうで、1時間待つなんてことはほとんどなかったとのこと。断られてもメゲナイことがいちばん大切らしい。
 ただし雨とか雪とか、悪天候のときはまずダメ。そりゃそうだろうと納得しました。宮崎東京間は何度もヒッチハイクで往復しているというから面白いなぁ。
 もう一人は尼崎出身で、最近高円寺で屋台のタコヤキ屋を始めたらしい。タコとコンニャクを入れるのが尼崎風なんだとか。
 
高円寺なんとか135

「なんとかバー」の壁面。寄せ書きも国際色豊か。

 
 前回は、台湾人、アメリカ人、オーストラリア人がたくさんで英語が飛びかっていたのですが、なんでも、近くにバックパッカー向けの「マヌケ・ゲストハウス」という安宿が出来て、外人客が増えたそう。それも素人の乱が始めたんだとペペは言っていました。
 ビール400円、白ワイン300円を2杯でちょうど千円。キャッシュオンデリバリーというのか、代金引換式で明朗会計。
 コーラスとかレッスンで毎日外出しているというTさんを外で見送る。「それじゃ、ごめんください」とか言っちゃって、すげえバアサンだなぁ。
 
高円寺なんとか9
「素人の乱」1号店のオープン前。

高円寺なんとか119
と、「素人の乱」1号店のオープン中。

 
 帰り際「素人の乱1号店」(古道具屋)の前を通ったら、10時をすぎていたと思うけれど、まだ開いていました。
「素人の乱」、各店舗のネーミングが独特で、あまりビジネスっぽくないところがいい。

 
 
 
-ヒビレポ 2014年11月24日号-

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