あのへん! 〜中野阿佐ヶ谷高円寺〜  第12回


「談笑の弟子!」in「座・高円寺」

 
島田十万
(第18号で「『ゆめや辨天洞』めぐみ」を執筆)
 
 
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中央線から見える「座・高円寺」。
仮設のテントみたいにも見えるデザイン。

 
 寒い日が続くとついおっくうになって、時間があっても散歩にも出なくなりますね。暑いときはなおさらだから、考えてみれば気持ちよく街をスナップできるなんていうのは一年のうちいくらもないんです。

 先週は「談笑の弟子!」に行ってきました。通常は高円寺の庚申文化会館でやっている吉笑さんと笑二さんの勉強会(ヒビレポ「ぜんざのはなし」「ぜんざのはなしThe final」をご参照ください)ですが、今回は特別編で「座・高円寺」で行われました。

 ゲストの立川流真打ち、志らくさんは2人の師匠談笑さんの先輩です。
 地下2Fの250人入れる会場がほとんど満員で、客層が老若男女みんな同じくらいの比率。これは案外珍しいんじゃないかな。
 たいてい老人が多めとか、女性が多めとか、男性が多めとか偏るような気がします。そのせいか、なんだか柔らかい良い雰囲気になりました。小さい子供がいないのも良い。
 最初に吉笑さんと笑二さんが壇上であいさつ、大入りの客を見てとてもうれしそうにしている。普段やっている会とは規模も客数も断然ちがう。さすが! えらい!

 
 トップバッターは、前座笑笑さんの「猫の皿」。笑笑さんは相変わらず、物事の見方が微妙にズレて可笑しいけれどあざとい感じがまるでない。まじめな人柄なんだろうな。落語もたいへんに進化しているように思いました。 
 笑二さんの「猪買い」は何度か聴いているけど、珍しくちょっと固かったか?
 その後、志らくさんの「火焔太鼓(かえんだいこ)」があり中入りのあと、全員が登場してのトークタイム。
 トリは吉笑さんの「カレンダー」。これも普段の感じじゃなかったのではないか。やはり大先輩を前にして笑二さん同様すこし緊張したか? もしくは会が成功してホッとしちゃったとか。 
 
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ゆがんでいるように見えたり、
角度によって違う建物のように見えたりするのが面白い。
伊東豊雄の設計。

 
 今まで丸3年間、ここでやることを目標にしてきたというから、気負いがあっても不思議じゃない。嬉しさで高揚している感じが伝わってきて、見ているほうも嬉しくなってきた。

 しかし、本日、なんと言っても良いところをぜんぶ持ってっちゃったのは志らくさんでしょう。
 家元談志を見たときにずいぶん小柄な人でびっくりしたけれども、志らくさんも家元より少し大きいくらいじゃないかな? そんな人が、笑二さんの後に、真っ白い顔つきでよたよたっと出てきて、大丈夫かと思いました。足下がふらついていたみたいだし?
 で、小さい声で話しはじめました。たまたま見つけた7年前の睡眠薬を飲んだら眠れなくなって寝ていない。要約すればただそれだけの話のはずなんだけど、それが可笑しい。
 いつのまにか、全員がうっとりした表情になって、集中して聴いている。もちろん笑いっぱなし。
 声の質とかトーン、大きさ、出し方。顔のふり方、手の動き、身のこなし。着物の着こなし。売れっ子で実力者の噺家が、そうでないのとどれだけ違うかハッキリ見せられたような気がしました。
 その「火焔太鼓」の面白いこと。ハラを抱えて笑うというのではないんだけれど、非常にリラックスできて、いつまででも聴いていたい、終わるなと思いながら聴いていたほど。
 いままで聴いてきたどれとも違って、ここでうまく書き記せないのがもどかしいほど心地良かった。
 いっぺんで志らくファンになりました。

 吉笑、笑二、2人(+1)とも可能性のある噺家に間違いありませんが、とんでもない世界にいるんだなぁとあらためて感心しました。これからどんなんなっていくんだか、ますます楽しみ。
 
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「座・高円寺」の階段。

 
06座高円寺64
帰りに新しい「座・高円寺」というフリーペーパーを手に入れました。
創刊号から見ていますが、クオリティーが変わらない。
写真もデザインもすばらしくて、時間もお金もかかっていそうだ。

 
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「座・高円寺」近くには飲み食いする店があまりないようです。
駅から「座・高円寺」に向かう右手「桃太郎すし」となりの
「クロンボ」は阿佐ヶ谷で永年営業していた洋食屋ですが
3、4年前に引っ越してきました。
ライス、みそ汁つきハンバーグステーキが480円。

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もうひとつ。ドライブイン「江戸丸」。
立ち食いの店ですが、道路にテーブルもあり。
環七沿いで車が停めやすいんでしょうドライバーに人気のようです。
笑二さんが稽古をしている公園にも近い!

 
 
 
 
-ヒビレポ 2014年12月22日号-

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