半澤と12人の優しい既婚者 第1回

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僕の自慢

 
半澤則吉(18号で「病人」を執筆)

 
 
 
 ちょっと自慢できるくらいに、その道に詳しい。その道というのは「結婚式」だ。31歳という年齢を考えると当然だけれど、友人の結婚式に参列させてもらう機会は非常に多い。東京都内での結婚式はもちろん栃木、京都、奈良、大阪、そして地元福島などあらゆる土地で、人を言祝ぐ機会を得てきた。今指折り数えてみたら、幼少の頃に花束渡し要員として参加したそれを抜かしても、20弱の結婚式に参加している。二次会やパーティだけ出席したというものを含めると数はさらに増えるだろう。また式に参列しても、おいしいものを食べているだけではない。友人スピーチ、披露宴受付、披露宴余興、新郎新婦自己紹介ビデオ作成、遠方の友人からのビデオレター編集、二次会幹事、二次会司会、二次会用ビデオ作成などなど、うれしいことにたいていの役はやらせていただいた。おかげでスピーチをそらんじられるという特技が生まれ、映像編集ソフトは取説なしで触れるようになった。式場やパーティ業者とのやり取りも何度か経験しており、もう慣れたものだ。
 そう僕は結婚式が心底好きだ。その楽しい時間がいまだに身体の底に残っているような素晴らしい結婚式も多いし、ホロっと涙する式も少なくない。小学校の離任式で6年連続漏れなく涙し(給食のおばさんの退職ですら当時の僕はしっかり泣いていた。)、周りを引かせた涙もろさは今も健在で、多くの場所で参列者としてふさわしい活躍を見せてきた。
 また人との交流がやはり結婚式の面白いところ。昼から酒が飲めるというだけでそら、楽しいに決まっているのだけど、普段は顔を合わせられないような旧友や古くからの知り合いと杯を交わせる悦びこそが結婚式の醍醐味であろう。
 

 
「であろう」と、いっぱしの論を語るくらいに、僕はその道に詳しい。大学の講義は無理でも公民館のカルチャー教室で「大好き! 結婚式〜式を楽しむ15のテクニック〜」(1コマ45分×4回)などと銘打って講座を開いてもいいくらいに結婚式については余裕で語ることができそうだ。けれど、けれども、当の僕本人は結婚の予定というものがなく、「結婚式」は近い存在ながら「結婚」からは遠い生活、人生を送っている。
 そんな訳ないだろ、自営業者なのだからいろんな出会いもあるだろう。よくそう言われるけれどあまり「出会った」と実感したことはない。僕は自分の名前で仕事をしている。それに趣味で音楽もやっているので露出は多いはずだけど、そういえば「出会った」感がずっとない。と、今この文章を書きながら気付いてしまい、離任式でもないのに涙が出てきた。

 今回ヒビレポで書かせてもらう機会をいただいたので3ヶ月間に渡り「結婚」について改めて考えてみたいと思う。そんなことする前に合コンしろ合コン、見合いをせえ見合いを、と諸先輩方の声も聞こえてくるが、あくまで「結婚」そのものを真っ向から考えるのが今回の企画の主旨だ。やみくもに「結婚したい」、「彼女欲しい」と願望を述べているのではない。と、断言したけれどやっぱり彼女欲しいし、結婚したいなあ。なんでだろう、さっきから涙が止まらないんだ。
 ということで、来週より12人の優しい既婚者の方に話を聞いてまわります。随時既婚者を募集中。ご協力くださった優しい方には粗品進呈いたします。粗品も現在考え中、楽しい3ヶ月間になりそうだ。

 
 
 
-ヒビレポ 2015年4月1日号-

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