私とタカラヅカの日々 第2回

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愛に溢れた東京宝塚劇場

 
高橋ユキ
(第17号で「ヤラセ騒動に巻き込まれてしまいました。」を執筆)
 
 
 
 そんなわけで友人の元ヅカオタMと一緒に初めて東京宝塚劇場に星組公演を観に行ったのは昨年2月16日。昨年は宝塚歌劇団100周年でなんだか色々華やかだったのです。

「眠らない男ナポレオン —愛と栄光の果てに—」
http://archive.kageki.hankyu.co.jp/revue/correlation/j361.html

 ここを見ると「100周年に宝塚歌劇が総力を挙げてお送りする超大作」と書かれておりますが確かに今年、2015年の今、思い返すとこのナポレオンは何やら衣装とか豪華だった気がします。そして肝心の柚希さんですが、声が野太く体型もガッチリしていて野性味溢れており、私は完全にファンになってしまいました。この日のためにAmazonでオペラグラスを準備し(レビューを見まくって厳選しました)た甲斐がありました。それまでの自分は、タカラジェンヌさんは男役でもやっぱり細身ですらっとしていて女性らしさが残っている…みたいな印象を持っていたのですが、なんかものすごい男っぽいんです。野太く低めの声は声フェチの私としてはとてもたまらないものがありました。下半身がガッチリしているのもガチムチ好きの私の心を鷲掴みです。腕もなぜかゴツゴツしていて…と、なんだか書いていてもの凄く恥ずかしくなってきましたがそんな感じです。ただあとからたくさん公演を観に行ったりしてだんだん分かってくるのですが、タカラヅカの公演は最初がお芝居もの、次がショー、みたいな二本立てのものが多かったりします。友人Mから「礼音はダンスがうまいからね〜〜」など言われていたとおり、柚希さんの大きな魅力はダンスでして、このナポレオンではショーがなかったのでその点で少し消化不良気味では(あとから考えればですが)あります。

 とにかく初めての観劇では、なんかやたらジョセフィーヌ役の娘役とのキスシーンが多かったり、歴史上の人物のお話だけど必ず恋物語をぶっ込んでくるところとか、あとトップさんが舞台に登場してスポットライトが当たったら拍手…おじぎしたら拍手…みたいな作法にも、いちいち「これがタカラヅカか…!」とただ感心するばかりでした。隣に座る年季の入った元ファンMの拍手タイミングに合わせて私も慌てて拍手…って感じです。本当、一緒に来てもらってありがたかったです。


 
 あと見に来ているお客さんは中年以上老人未満みたいな女性がけっこうたくさんいて、皆とてもお上品に…下世話に言うと金のありそうなファッションで身を固めておられ、やたら元気なことにも「これがタカラヅカか…!」な衝撃でした。東京宝塚劇場から日比谷公園を挟んだ向こう側の東京地裁に入り浸っていた傍聴人の自分としてはそれがいちばんカルチャーショックといいますか、傍聴人って、年金暮らしや生活保護、ドヤ暮らしの人とかもいて、とにかく働いてない人が多いじゃないですか。いかに安く飲み食いできるかっていう話は傍聴マニアの中ではけっこうメインなトークテーマだったりするんです。それが日比谷公園の向こう側にこんな世界があったとは…みたいな、なんかそれが本当にびっくりでした。同じ日本か!?ぐらいな感じです。むしろ私がここに来ていいのだろうか?お前は日比谷公園の向こう側の人間だ…と誰かに言われているようなそんな感じもあったりして落ち着かなかったです。あと公演の合間に休憩があるのですが、女性が大多数なので当然トイレは激混み。休憩が始まってからのお客さんのトイレダッシュの素早さには目を見張るものがありました。しかもどのドアから出ればどのトイレに最短でつく、と知っている動きをするんですよ皆。当然、友人Mもそんな動きで私をトイレに誘導してくれました。そんなとこにも「これがタカラヅカか…!」です。

 女は中年になるとタカラヅカにハマる、を自ら体現してみせた私ですが、結婚や出産を経験して、男性への幻想も消えてしまい、一方で自分のほうは白髪も増えてきたり体型もひょうたんみたいになってきて老いも感じ始める時で、生活全般にうきうきするような出来事がまったくなくなってしまう、そんなときに、女が思う理想の男、みたいなものを演じられるとやっぱりグッときてしまったのかもしれません。とかちょっと書いてみましたが、そこのところはまだあまり絞殺…じゃなくて考察できておりません。というのも柚希さんは昨年に退団を発表されており、いまこれを書いている2015年4月、まさにサヨナラ公演真っ最中なのです! 私は男役を極められた柚希さんの勇姿を千秋楽までこの目にたくさん焼き付けようと、奔走している日々であります。なので、その辺のことは、千秋楽が終わってから落ち着いて考えたいです。…と、まるで自分が退団するトップさんのようなセリフを吐いてしまいました、すみません。

 ナポレオンを観た後ぐらいの時期の話に戻りますけど、初観劇後、こりゃもっと柚希さんの舞台を観なきゃならんな、と心に決め、友人Mの家に遊びに行ったときに観たCS番組「タカラヅカ・スカイ・ステージ」(通称スカステ)加入しようと決意しました。観劇後はちょいちょい、夜中に友人M宅へお邪魔してスカステを見せてもらいながらお菓子を食べたりという日々を過ごしてました。友人Mはむちゃくちゃ忙しい人なのに本当に愛に溢れた(←よくタカラヅカで使われる言葉)人間です。同じ北九州市出身なので小倉駅ホームにある「かしわうどん」のうどんがいかにウマいかという話なんかでも盛り上がったりします。ちなみに友人Mはさっきも年季の入ったファンだと言いましたが子供の頃からタカラヅカを観ていて、スカステで放送されたこれまでの公演もむちゃくちゃたくさんDVDに焼いてます。ヤンキーしかいない北九州市で青春時代を送った当時の私はバンギャで、バンドの追っかけに明け暮れていましたが同じ土地で育った友人Mはこんな高尚な趣味を持っていたなんてすごい話です。遊びに行くと別室に入っては、DVDが120枚ぐらい入るようなブックタイプのファイルケースをおもむろに次々と持ってきて、あれこれと私に見せてくれたり貸してくれたりするのです。いったい何枚焼いているのか私には分からないぐらい大量にあります…。柚希さんのダンスの素晴らしさなどはこの友人Mライブラリによって知るんですけど、「ゆきちゃんもスカステ入りなよ〜」という友人Mの言葉もあり、スカステ加入に向けて動く事になりました。確かにスカステの情報量はすごく、これに入ってないと始まらないという感がビンビンします。しかしここで問題が発生します。自分の家はスカステが観れなかったのです…。
(つづく)

 
 
 
-ヒビレポ 2015年4月14日号-

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