レッツゴー!町中華探検隊 第6回

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探検隊はニシヘヒガシエ、の巻

 
増山かおり
(北尾トロ→下関マグロ→増山かおりの輪番連載)

 
 
 

01のコピー

4月21日発売の「散歩の達人」でも華々しくデビューを飾った、町中華探検隊。
レポメンバーの半澤則吉さんも、取材の終わりのほうで合流していただき、新メンバーとして加入してもらいました!


 
半澤さんとは、学生時代にトキワ荘近くの「松葉」の近くの定食屋(今思えば、あれも町中華だった可能性も?)で定食を食らったり、酒を飲み交わしていたサークル時代からの付き合いです。

当初私はオムライス&餃子担当でいこうと考えていたのですが、町中華探検を進めるにつれ、カレーも食べたい、チャーハンも食べたい、という状況になってしまい、
料理好きでもある半澤さんの協力がぜひとも必要と考え、4人目の隊員として大プッシュさせていただいた次第でした。
 
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さて時間はさかのぼり、「散歩の達人」で訪れた、西荻窪の「大宮飯店」へ。
北尾隊長発掘のお店です。

このお店の御主人は、新潟から上京、人形町の肉屋などで働いたのちにこのお店をオープンさせています。
駅から15分ほど歩くうえ、店の外にはメニューがなく、初めて訪れるにはかなり気合いがいりますが、
引き戸をガラガラと開けると、チャーミングな御主人が笑顔で迎えてくれます。
昼間は奥さんと二人で切り盛り。お昼は忙しくて手が回らないということで、揚げ物は出せないそう。
探検隊3名の時代(第二期)に一度訪れた際、カツカレーを頼もうとして玉砕、散歩の達人取材時にはかつ丼と酢豚を注文、そして一人で訪れた今回は、焼きそばと餃子を頼んでみました。

以前トロ隊長が「町中華に来たら、中華丼を頼めばその店のことがわかる」とおっしゃっていましたが、
焼きそばもその店を知るうえでぜひ頼みたいメニューの一つです。
家庭で作るようなソース焼きそばの場合もあれば、五目あんかけの焼きそばの場合もありますし、はたまた、かた焼きそばという可能性も。注文時、あえて何ベースか聞かずに頼み、どんな焼きそばが来るのかを予想しながら待つ。これが楽しいのです!
さてさて、大宮飯店の焼きそばは……?
 
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ジャーン!これです! 塩ベースに、ちょっと醤油を効かせた焼きそばでした。野菜たっぷり、肉も分厚く、2人前クラスのボリュームです! ガテン系のお兄さん達にも人気のメニューだとか。これ1食で、独身男性に必要なたんぱく質、ビタミン、脂質、糖質のすべてがまかなえると思われます。
手作りの餃子はカリッと焼かれていて、ふっくら感があり、焼きそばとの相性は最高!

この最強コンビを食べながら御主人と楽しくお話します。「座ってるともう脚が動かなくなっちゃう」と、開店から50年近く経つ今も毎日厨房に立ち続けているそうです。
「メニューは、独立前のお店で教わったんですか?」
「俺の料理はタレの配合聞いて作ったわけじゃないんだよ」
「自分がおいしいと思う味で?」
「そうそう。うちにあるのは全部俺流の味だからさ、よそのはわかんないよ。ラーメンのタレの配合だって、その焼きそばだって教わったわけじゃないしさ。長年やってると自然と自分の流儀になっちゃうんだよ。よいしょ」
そう言うと、御主人もカウンターに席を移した。ズズズ、とまかないのラーメンをすする音が、御主人と自分しかいない店に響く。店内のテレビの中から聞こえてくるのは、吹き替えの洋画の凛々しい男の声だ。
「俺は自分で作ったラーメンの味がいちばんうまいと思ってるから」
そう言って笑う御主人の顔が可愛すぎる。
「そういえば、ちゃんぽんもあるんですねえ」
「今はさ、ちゃんぽん専門の店あるじゃない。でも俺はそういう店を食べにいって作ったわけじゃないんだよ。俺は、よそのちゃんぽん食べたことないんだよ」
「えっ、もしかして、想像で……?」
「そう。自分で作ってさ、『これちゃんぽんでいいや』って。うちの料理はみんなそうなんだよ」
衝撃の事実が発覚。なんと、御主人は一度もちゃんぽんを食べたことがなく、オリジナルの麺料理をちゃんぽんと名付けて出しているそうなのです!

「焼きそば、ちゃんぽんみたいな味になってきましたよ。そこのほうに野菜とお肉のスープがたまって」
「ちゃんぽんってのは、こういうもんなの? スープがないの?」
もう、笑いをこらえきれず二人して大笑いしてしまいました。
「ありますあります(笑)! スープはとんこつっぽくて、丼になみなみと入っていて、具はかなりこの焼きそばと似てますね。あとはナルトが入るくらいかな?」
「いや、俺ほんとに食べたことないんだよ。でもうちのちゃんぽん、評判いいんだよ。食べる人は来るたびにちゃんぽん食べるしさあ。」
次は必ず、ちゃんぽんを食べねばならぬ。そう誓い、店を後にした。冷やし中華は「暑くなったら」始めるそうだ。今年の夏は、暑くなるだろうか。
 

 
そんな大宮飯店の興奮も冷めやらぬまま、4月21日に訪れた御徒町。私は学生時代から新宿より西の街ばかりを訪れていたため、東京の東側の町中華を訪れるのはほぼ初めてです。しかもマグロ隊員が今回おすすめする店は、「おばあちゃん中華」だというから期待が高まります。その名の通り、おばあちゃんがやっている町中華です。
今回から正式加入した半澤隊員と、ゲストに散歩の達人編集部の久保氏をお迎えして、5人という大所帯で参ります!

今回のお目当ては、冒頭の写真の「来集軒」なのですが、まだまだ何軒も強力な店があるそうなのです。
 
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おお

 
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たしかにこれは

 
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どれも良すぎて、選べないよ……!

 
しかし、探検隊は決断せねばならないのです。
マグロ隊員が2度訪問未遂に終わっていたということと、とんかつ+中華という組み合わせがあまりにも魅力的すぎるということで、今回はこちらの「今むら」に決定。さらに、おばあちゃん中華も捨てきれず、隊員も増えたということで本日は夢の2軒はしごに決定しました!
 
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ごはんがきれてしまったということなので、揚げ物類と焼きそばを注文。
肉厚のとんかつ、そして見た目よりも優しい味のかつ煮に箸が進む。ビールも進む!ラーメンもばっちり頼みました。ラーメンはなんと400円!
焼きそばは、ベビースターラーメンを思わせるような甘めの味付けで、隊員一同妙に興奮。そして肉野菜炒めの肉は、とんかつ用の肉を使って炒めたのかな? と思わせるような分厚さで、まだ成長期の半澤隊員と増山はこぞってこれを平らげたのでした。

しかし、これでまだ1軒目。正直、かなりお腹がふくれてきています。マグロ隊員は、本日のメインディッシュに備え、食べる量をばっちりセーブしていたそうです!
 
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さてさて、来集軒に到着しました。
気軽に入れるのが町中華の魅力のはずなのですが、この店はなぜか、会話をためらわせるような雰囲気があり、我々は席に着くなり口少なになり、コップの水を静かに飲みました。1人で来ている常連風のお客さんが多いものの、店主が怖いわけではなく、会話禁止の貼り紙がされているわけでもない。とても町中華然とした雰囲気なのに、なぜだろう…おばあさんが店主になるだけで、こうも違うのか? しかしそれは嫌な雰囲気ではなく、この沈黙を静かに楽しみました。
 

トロ隊長はソースチャーハン、マグロ隊員はカレーライス、半澤隊員はラーメン、増山はカレーソバを注文。ソースチャーハンはチキンライスのような味で、たっぷり入れて炒めた玉ねぎの甘味と、漬け込んだような肉の味がたまりません。これ、家で再現したい! カレーライスは、今むらの肉野菜炒めのようにランダムな形の肉がコロコロ入っているのがすごく良いです。ラーメンとカレーソバは、ベースはおそらく同じもののようです。ラーメンの上にカレーライスのルーをかけたのが、カレーソバのよう。カレーが溶け込みトロトロになったスープは、とんかつ後のお腹でもイケルおいしさでした。
 
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来集軒のソースチャーハンの味は、その後もたびたび思い出しています。なぜか道を歩いているときなどに、よく思い出します。まだ、再現を試みてはいません。
 

 

町中華探検隊が西荻窪を往く

 
 
町中華探検隊が新御徒町を往く

 
 
 
-ヒビレポ 2015年5月9日号-

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