MAKE A NOISE! 第62回

メリル・ストリープのお言葉(第1回をご参照下さい)に従い、まだ知れ渡っていない面白い映画をロンドンからMake a noise!
 

エロスとタナトス

 

山口ゆかり
(第16号で「どんなに幸せでも罪悪感と孤独感はぬぐえない」を執筆)
 
 
 
 
 少し前、白地に金か、青地に黒かというドレスが話題になりましたね。実際は青黒ドレスでネット掲載写真の見え方の不思議でしたが、それで思い出したのがこちら。
 

 
 ピーター・グリーナウェイ監督『コックと泥棒、その妻と愛人』のワンシーン。
 色別構成の大胆な映画で、ヘレン・ミレンも見事な肢体を大胆に披露、今では『クィーン』で知られる貫禄の大女優ですが、もともとセクシー女優として鳴らした人です。
 ハリポタシリーズのダンブルドアでお馴染みマイケル・ガンボンもまだ壮年だし、ティム・ロスなんかもちょろっといるし、衣装はゴルチェ、料理も豪華絢爛と見所テンコ盛りなブラック・コメディです。
 

 
 
 
 この映画に匂いたつエロスとタナトスを、グリーナウェイ監督は『Eisenstein in Guanajuato』でさらに追及し、ベルリン国際映画祭でお披露目。ロシア(当時はソ連)の巨匠セルゲイ・M・エイゼンシュテイン監督のグアナファトの日々を、エルマ・バックが演じます。
 
Eisenstein 2015Bs

エルマ・バック、ピーター・グリーナウェイ監督、ルイス・アルベルティ
 2015年ベルリン国際映画祭 (撮影:著者)

 
 今年のベルリンでの美しい男性部門第1位(念のため、そんな部門はありません)のアルベルティが現地ガイド役。ガイドがこんなに綺麗なのは何かあるに違いないと観てたら、何かありました。エイゼンシュテインを妻や子と家族ぐるみでもてなすほかに、自分でももてなす。たまたまロシア革命記念日で、こっちも革命てなことでおしりにロシア国旗掲揚というバチあたりギャグつき。
 

 
 マシンガン・トークに無茶な行動とパッショネイトなエイゼンシュテインは、白いスーツ姿や爆発ヘアなどルックスも良く似せてあります。映画なので面白くしてるとは思いますが、なかなかエキセントリックな人だったというのはそのようで、俄然興味を持ちました。この映画ではグアナファトの文化に入り込む様が描かれますが、エキゾチック好きだったらしく、日本も訪れてます。『戦艦ポチョムキン』の監督というくらいにしか知らなかったのが、今興味津々でメキシコシティでの日々が描かれる続編『The Eisenstein Handshakes』を待ってるところ。
 

 今回は男対女から男対男に変えてエロスとタナトスを見せたグリーナウェイ監督でしたが、次回はゲイ映画の人と思ってたら、そうじゃない作品で銀熊賞獲得の監督です。

 
 
 
 
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-ヒビレポ 2015年5月21日号-

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