レポは日暮れて 第9回

eno
昨日の今日(その2)

 
えのきどいちろう
(えのきどいちろう&北尾トロの交互連載)
 
 
 
 めぐり合わせかな、またレポCDツアーの翌日に僕の入稿回がまわってきました。今回は新潟市の北書店。かつて古町十字路に所在した老舗書店・北光社の「残党」であり、今やインデペンデント書店の星でもある佐藤雄一さんが「レポCDジャパンツアー2015」ファイナルの会場として手を挙げてくれた。

 出演者はトロさんと僕、それからスポーツライターの佐藤温夏さん(元BBM)が前泊、日高トモチキさん、和田静香さんが当日入りでした。つまり、トロさんと僕以外は栃木の回を経験していない。あのときは勝手もわからなかったし、マジ疲れたんですよ。悪い汗いっぱいかいた。あとね、トロさんが前日だかに猫に噛まれて雑菌が入ったんだろうね、すごい腫れて、打ち上げの店で熱が出てるみたいだった。だから、身体的にきついイメージがあって、僕ら覚悟してたんです。テンション上がってる和田さんらを尻目に、あぁ、何時間後にはバテバテになるんだ、喉も死ぬんだって。

 そうしたら新潟の回はびっくりするほどスムーズだった。トロさんと何だこれ?って顔を見合わせましたよ。終わった後も余力がある。喉もきびしくない。不思議ですね、ぜんぜん栃木と違うんだ。たぶん栃木はこっちが緊張してコチコチだったんだと思う。それがお客さんにも伝わって、お客さんも固くなる。で、、さらにこっちが緊張する。まぁ、しょうがないですね、「レコードコンサート形式」に不慣れだもん。それが初日ってもんでしょ。その点、新潟は(列島横断ツアー全国2ヶ所公演の)ファイナルだから、そりゃ内容も多少はこなれますよ。


 
 登場順に執筆陣に触れていくと、まず音楽ライターの和田靜香さん。彼女がすっかり場を和ませてくれた。和田さんはレポの5年、すごい振幅を生きたよね。音楽ライターとしてガンガンやってきた時間より、もしかするとこの5年の密度のほうが濃いかもわかんない。その振幅は(ブレブレでもあるんだけど)胸を打つ。「体当たり」とか「試行錯誤」とか、そういう言葉じゃ足りないくらいなんだ。和田さんはローリングストーンだね。わりとコロコロしてるし、転がることをやめないね。
 
01s

和田靜香さん

 
 次は佐藤温夏さん。彼女は『近代柔道』編集部にいる頃、知りあって、いっぺん柔道誌に書かせてもらったのかな。後に『週刊サッカーマガジン』に異動になって、連載コラムの担当編集者になった。その後、会社を辞めたのは知ってたけど、何やってるかあんまりわかんなくて、たまたま連絡とったときに「季刊レポで女性ライター特集やるよ」って教えたんだよね。企画が通って、レポ執筆陣に加わった。佐藤さんは僕の印象じゃいつも「こうしてちゃダメだ…」ってジタバタしてるところがあって、それは書き手の感性なんだ。きっかけがあったらもっと花開くと思う。
 
02s
日高トモキチさん(手前)と佐藤温夏さん

 
 それから日高トモキチさん。日高さんとは震災の年に一緒に仙台へ行って以来だったなぁ。今回あんまり一緒に歩く機会なかったけど、目線が僕と合う人。これはね、相性あるんですよ。面白いものを見つける速さとかね、目配りの方向とか。たぶん日高さんは僕より応用力っていうか幅があって、「相手に合わせながら自分のツボも忘れない」ができる人だと思うな。あ、そうそう、僕は日高さんのヒビレポの原稿が大好きだった。マンガはもちろんだけど、文章いいよね。うーん、日高さんの文章も「目」の文章なんだよな。こないだからそんな話ばっかりだけど、あぁ、このフォームもいいなぁって、バッティングゲージの後ろでずっと眺めてた(←野球のフリー打撃にたとえています)。

 レポは有名無名、キャリアや年代バラバラだけど、いいバッターが揃ってて、しかも、普段の様子からウォッチできる得難い練習グラウンドなんですよ。いいバッターが揃ってることは、こういうイベントやったりするとよくわかるね。ツアーファイナルは爆笑につぐ爆笑の3時間(!)だった。しかも、トロさんも僕もピンピンしていた。
 
03s

トロさん

 

 
 
 
似顔イラスト/日高トモキチ
 
 
 
-ヒビレポ 2015年5月31日号-

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