私とタカラヅカの日々 最終回

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新しい星組

 
高橋ユキ
(第17号で「ヤラセ騒動に巻き込まれてしまいました。」を執筆)
 
 
 
 先週の「週刊ダイヤモンド」でなんと宝塚特集が組まれておりました! これは宝塚のシステムやしきたりを理解するのにぴったりな一冊だと思います。ご興味のあるかたは是非っ! バックナンバーを! 個人的にはサンリオピューロランドにも宝塚を取り入れたショーがあるということを知ってむちゃくちゃ驚きました。

 さあ、前回チケットを押さえたのは新生星組の全国ツアー@大宮ソニックシティ。柚希礼音さんが卒業されて新しいトップになった北翔海莉さんと、柚希さんと『添い遂げ退団』(一緒にやめることをこう言います)した夢咲ねねさんの次に娘役トップになられた妃海風さんが率いる星組のプレお披露目です。どうも調べたら本公演(宝塚大劇場・東京宝塚劇場での公演)が本当のお披露目と呼ばれるらしいです。そんなわけで平日の夜、仕事もそこそこに、私は縁もゆかりもない大宮へ降り立ちました。なんか駅の改札とかむちゃくちゃ人が多いんですけどもしかして皆大宮ソニックシティに向かうんでしょうか…なんていういつもの妄想にとりつかれ足早に向かいました。

 演目はこちら、「ミュージカル・ロマン『大海賊』—復讐のカリブ海—」と「ロマンチック・レビュー『Amour それは・・・』」です! この「大海賊」はですね、愛に溢れた元ヅカオタの友人Mから聞いたんですが昔にも宝塚歌劇でやったことのある舞台らしく、ここ(http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2015/greatpirate/info.html)にもありますが2001年に紫吹淳さんがトップの時に上演されて、レビューのほうも2009年に宙組がやりました。北翔さんはこのどちらにも出られた事があるそうです。この日を前にして久しぶりに友人M宅に遊びに行ったところ色々また教えてもらいまして「大海賊はねぇ〜あんま面白くないんだよね」とかいう身も蓋もないことを言っていました。寝てしまったらどうしよう…ちょっと心配しつつ会場に入りますと、宝塚大劇場や東京宝塚劇場とはちょっと客層が違う感じで、モロ地元のおじいさんみたいな人もいます。こうした全国ツアーは地方の方に宝塚を知ってもらって新規ファンを得る目的もあるようです。開演前に、パンフレットを眺めていると、全国ツアーは大階段が小さいみたいなことが書いてあって、色々と本公演との違いを知ります。てか私はショーの最後の大階段降りが大好き(宝塚が好きな人に、これが大好きじゃない人はいないと思いますが…)なので少しテンションダウンです。また賑やかな星組の雰囲気と北翔さんが全く馴染んでいなかったらどうしよう…あれこれ心配を抱えていたところ幕が開きました。


 
 うん、大海賊は確かに突っ込みどころがいろいろとある脚本や演出ですがそれは北翔さんのせいではありません。むしろ宝塚の舞台にツッコミどころのない舞台があるのかというそういう問いかけもできます。死にかけた女性を歩かせて船に乗せるシーンとかなんかちょっと現実味がなくてうっかり笑いそうでしたが、とにかく、親を海賊に殺されたことから復讐を果たすため自身も海賊となるエミリオという育ちの良い主人公が北翔さんにピッタリでした。そして何よりむちゃくちゃ歌がうまいんです!!!!!! 北翔さんはキャリアの長いジェンヌさんで、努力の人なんてパンフレットには書いてありましたが、たしかにその歌唱力にはうならされました。また歌だけじゃなくて演技や踊りもきちんとしている。柚希さんはダンスが得意で、舞台もその持ち味を存分に活かしたものが多かったですが、新娘役トップの妃海風さんも歌がうまいので、これからの星組は歌がウリになるのかもしれない…と思わされました。あと北翔さんは娘役の扱いがなんか優しい感じなんです。まだペアを組んだばかりなのになんだか親密な雰囲気が漂っていて、見ているだけで幸せになります。ショーは確かに大階段がないのは寂しいところですし、いままでの星組にない優雅で清楚で正統派な感じで若干戸惑いましたが、男役たちと一緒に踊りまくる場面もあり、おおむね満足で、眠ってしまう事もなく、会場をあとにしました。

 ただ、トップが変わると組の雰囲気もかなり変わるのか? と少し不安にもなっています。やはり北翔さんは歌がうまいのでそれを売りにした演目がこれから上演されることになると思いますが、わたしはギラギラ賑やか華やかだった柚希さんと彼女率いる星組が大好きだったので、これから新しい星組に私がついて行けるのだろうかという心配がちょっとあります。たとえば、黒塗りラテンのショーとか柚希さんむちゃくちゃハマってたんですけど、北翔さんはそういったものよりももう少し上品な(?)ものが似合いそう。北翔さんのラテンのショーとかみると否応無しに柚希さんを思い出してしまいそう…とかそういう感じのことです。とはいえ、組子の皆さんのなかには、キレのあるダンスとかギラギラした男役ぶりとか、柚希イズムがしっかり根付いている様子も垣間見えまして、これからワイルドさを残しつつも北翔さんと上手く馴染んでいくのだろうなぁという予感もあり、そこはとっても楽しみです。

 それから!!! なんといってもこの日は私は前々からたまに話題に出しております礼真琴さんに釘付けでした。なんかこれまでは丸顔でかわいい顔立ちの(そしてむちゃくちゃ歌がうまい)男役、という感じだったのですが、柚希さん退団後、男っぷりに磨きがかかっていて、少年から大人の男になったかのように成長していました。オペラグラスを外して裸眼でみるとダンスも柚希さんっぽくなってるし、そういえば礼真琴さんの礼っていう字はたしか柚希礼音さんから一字取ったという話もきいたことあるし…柚希さんが去って行かれたあとの星組でも柚希さんの教えを引き継いで行くんだ!という気迫みたいなものを礼真琴さんからは感じます。しかもショーでは羽根を背負って階段から降りて来ていました!!!!! そこにも成長を感じます。礼真琴さんが歌って北翔さんの歌につなぐ場面とかもむちゃくちゃ良かったです。この人はマジでいつかトップになるんじゃなかろうか? 本当に格好良すぎてわたしはファンクラブ(=会)に入りたくなってしまいました!!!!!

 この全国ツアーの時期、星組はこの「大海賊」組と、二番手の紅ゆずるさん率いる「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」組に分かれて活動しており、皆が一緒に舞台に立つのは8月から始まるブロードウェイ・ミュージカル「ガイズ&ドールズ」からなんですが、この舞台で全員集合した星組を見るのが今からとても楽しみです。キャッチミー〜のほうは感想のつぶやきなんかをツイッターでチェックしてみると相当評判がよさげで、こっちも見に行かなかった事を悔やんでおります。

 そして早いもので連載も最後となりました。急に覚醒した私のタカラヅカ道にお付き合い下さりありがとうございました!最初はタカラヅカのことを何も知りませんでしたが、なんだかんだ、ハマっていくほどに、タカラヅカの色々な事に少しは詳しくなって来たのかな? と思います。連載の最初から見直してみたのですが、明らかに自分のヅカオタ度が上がっているのを認識しました。
 こちらの連載は最後ですが私はこれからもきっとタカラヅカを追いかけ続けるでしょう…。

 
 
 
-ヒビレポ 2015年6月30日号-

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