1980年の山の音、江戸時代の猫  第4回

【何と言ったらいいんでしょうかこの感覚】

 

山下陽光(第7号で「ご近所のみなさま、お騒がせしております!」執筆)

 

アトム書房追いかけまくり、【途中でやめる】という名前の服を作っております
山下陽光です。

さて、今回はお店について、いや、お店というよりも場所。

着地点と理解が追いつかないお店の紹介。
何も考えなければいいんだけど、つい考えてしまって、どうすりゃいいんだろうか?
と思ってしまうお店の紹介です。
1軒目はノコニコカフェという福岡の能古島という島にあるカフェ。
このお店は、僕の兄がvelocityutというバンドをやっているんですが、そのドラマーの
シバッチ夫婦がやってるカフェで、気になって仕方ないので、福岡に行ったときにフェリーに乗って行きました。
着いたら、シバッチに「おーヒカル君、今チキンラーメン作ったんだけど食べる?」
と言われ、完全に島の新鮮な魚を期待していた僕らは強烈すぎるパンチを喰らいました。
「島の名産食べたかったら、ウチにはないよ」という斬新すぎる返しに何もできなくなり、近所で能古島名物のうどんを食べた後、ゆっくりカフェ気分に浸ろうと思ったら、「ビール飲む」と言われ、ベトナムのビールを出され、店内を眺めたら、誰からも必要とされないような物ばかりが売られていて、これはどうすりゃぁいいんだろうか?海外のインスタントラーメンや素人の乱松本哉の本、切腹ピストルズの天誅スニーカー等、コレは俺しか喜ばないんじゃないのか?何なんだ?島にコレを必要とする人がいるのか?
よく、無人島に持っていくレコードは何?という質問がありますが、そこにすべて持っていって商売を始めてしまったような、なんとも言えない、島で中野ブロードウエイにあるタコシェをやっているような感じで、お店で売ってる商品とかサービスとかじゃなくて、目の前は海なのに、、、何とも言えなくなってしまった。島にきてこんなの買う奴いるわけねぇだろと思ってたんですが、まんまと3人で15000円の買い物をしてしまい、なんだかよくわからなくなってしまう。
マーケティングだとかリサーチだとかそんなの考えずに好きなことを好きなだけやるって事にシビレクラゲになってしまったので、機会があれば能古島ノコニコカフェ是非行ってみてください。

続いては、岡山県にある山potto shop。このお店は元々恵比寿にあったんですが原発事故で岡山に移住したファッションデザイナーの山本さん枝光さんご夫婦が自宅で始めたお店で、開店2日目に遊びに行ったんですが、このお店もまた、ノコニコカフェ級のパンチで頭がクラクラしてバランスを崩してしまいました。
岡山市内から車で何度も迷子になりながら、国道から外れた看板すらなくて、目の前は田んぼで、ココにあるわけないだろ?というような住宅街に山potto shop はあります。
店内に入るとpottoの商品をメインに枝光さんのrereやセレクトされたブットビセンスのカッコイイ商品があるんですが、あれ?ココはトーキョーだっけ?なんだっけ?ちょっとよくわかんなくなったんで外に出てタバコを吸って煙を吐き出すと、目の前は田んぼなんですよ。
「フルーツ喰う?お茶飲む?」というサービスも素敵すぎるが、ちょっと駅までお客さん送ってくるからちょっと待っててね。というソープランドみたいな送迎サービス。
うん、よくわかんねぇ。
そんなpottoの山本さんと神戸のイベントでご一緒させて頂いた時に、打ち上げで、
「岡山に引っ越して、家族もお子さんもいて、安定というかしっかりやっていかなきゃって思ってるんですよね?」と聞くと「いや、それが、わけわかんない事しかやりたくないんですよ」という最高に素敵過ぎる事を言われて、やっぱりすばらしいなぁと思いました。
相方の枝光さんにも、この場所で最先端ってどういう事なんすか?とたずねると、
「よかったぁ、家族で移住してきて本当は東京が恋しくなったりするんだよ」との事で、なんだか、ノコニコカフェも山potto shopも行って感じる、何と言ったらいいんでしょうかこの感覚になると思うので、是非行ってみてほしい場所です。
しかし、福岡、岡山は遠いので、なかなか簡単には行けなくて、ホームページでも眺めながら、気分に浸るのもいいんですが、その【何と言ったらいいんでしょうかこの感覚】に近い事を探してみました。
一言で言うと、田舎で一番やってはいけない(誰もやらない)事をギンギンにトンガってやってて、その感覚を都会に置き換えると銀座に田んぼがあるような感じだろうか?と思って検索すると、本当に銀座に田んぼを作った人の動画が出てきて、こりゃあ一体インターネット何でもありすぎて、逆に、いや真正面から面白くねぇぞ!と発狂してしまいそうですが、よく考えてみたらインターネットはまさにどこでもドアなんですが、ノコニコカフェや山potto shopはまさにどこでもドアなんだという事に、今書いてて気がついた。森にドアがあって開けたら新宿だった!というような感じで、まさか岡山の田舎にそんな店があるわけねぇだろ!というようなところまで行って、あのドアを開けたら、感受性が強すぎる人はそれだけで、ドアノブ回す力だけでぎっくり腰になってしまうような世界がドデーンと待ってる。

高円寺にakagawa coffeeという喫茶店があるんですが、マスターのまーちゃんという20代前半の名古屋出身の若者が名古屋スタイルの喫茶店をやりたい!と今年オープンしたばかりのお店で、白メインのおしゃれすぎる内装はまーちゃんの友人高円寺キタコレビルのガーターのこうしろうが手がけてて、かっこよくて、隠れ家みたいに静かで安くて最高なんですが、マスターのまーちゃんが、学生ズボンにバレンチノみたいなおっさんベルトにシャツという典型的な喫茶店アルバイトの格好で、まーちゃんに
「なんで、そんな格好でやってんの?自分の店だから好きな格好できるでしょ?」と聞くと、
「やっぱ、好きな格好したいんですけど、喫茶店ぽくしたかったんで」とのこと。
それを言われた時に、ノコニコカフェと山potto shopが頭の中をぐるぐる回り始めて、まったく違うんだろうけど、なんかよくわかんねぇけど強烈な気持ちって凄くいいなぁと思った。
いや、本当の事を言うとまったく理解できてないんだけど、この三つのお店には
【何と言ったらいいんでしょうかこの感覚】があります。

 

<告知>

【書籍】
10月10日発売?

アトム書房の事やデモの事を書きました。執筆者が豪華すぎて当然ビビってます。

『脱原発とデモ─そして、民主主義』 筑摩書房
瀬戸内寂聴 鎌田 慧 柄谷行人 落合恵子 小出裕章 平井 玄 坂本龍一 田中優子 武藤類子 高橋まこと 飯田哲也 宮台真司 いとうせいこう 小熊英二 毛利嘉孝 鶴見 済 稲葉 剛 松本 哉 山本太郎 雨宮処凛 山下陽光 二木 信 中村瑠南 原発いらない福島の女たち
単行本   四六判   192頁  刊行  10/10   ISBN  9784480864192   JANコード 9784480864192
定価1,260 円(税込)

 

【渋谷パルコで途中でやめる】 シブカル祭。
渋谷パルコにて、途中でやめるのわけわかんない服が下記の期間販売されます。

■会期:10月19日(金)~10月29日(月)
■開催場所:渋谷パルコ パート3 1階 正面入口入ってすぐ

 

【講義】
【山下陽光の「今日はググるな」すきまメディア論】
2012年10月28日 14時00分~
受講料: 1,000円
渋谷です。
詳細
http://ototoy.jp/school/event/info/58

 

【インターネットラジオ】
インターネットラジオ素人の乱
毎週月曜22時から生放送

イトウとヒカルのブルーマンデー

中野ロープウェイ店主イトウ君と、途中でやめるの
山下陽光がゲスい話ばっかりするラジオ。ポッドキャストも配信予定です。
http://trio4.nobody.jp/keita/

 

【宮崎県途中でやめる取り扱い店】
秋冬物を発送したので、ほっと楽しい服が入荷しますよ~
kit ・
http://kita-miyazaki.tumblr.com/

 

【大分県別府 途中でやめる取り扱い店】
PUNTO PRECOG selected by boco凹
http://puntoprecog.jp/

 

【中目黒凹】
最近新作を納品しておりませんが、
現在ガシガシ作っておりますので、
お楽しみにお待ち下さい。
凹がwebアクロスに掲載されとるやんけ!途中でやめるの
ワンピース着てくれとる?
http://www.web-across.com/todays/cnsa9a000009gx2a.html

 

-ヒビレポ 2012年10月22日号-

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