今朝はボニー・バック 第6回

輝け! クイーン・オブ・ショート2012

 

ボニー・アイドル(第9号で「人生とはトイレからの距離である、のか?」執筆)

 

前回で「ランチジャー編」が終わったので、今回からまた新しいシリーズを始めようと思っていましたが、予定を変更して、今回は毎年恒例の「輝け!クイーン・オブ・ショート2012」の発表とさせていただきます。

「クイーン・オブ・ショート」とは、その年メディアに登場した女性の中で最もショートカットが似合っていた人に贈る賞のことある。歴代受賞者の中には、オードリー・ヘップバーン(第1回)や、女性ではないが「ターミネーター2」のジョン役のエドワード・ファーロングなどがいる。昨年まではぼくの頭の中だけで行っていたが、今回初めてメディアでの発表ということになる。

ぼくがショートカット好きなことについては、ここではくどくど申しますまい。とりあえず読み進めていただき、その熱い思いを感じ取っていただければ幸いである。

ちなみに、去る10月4日、「ベストジーニスト2012」が発表された。一般選出部門では、嵐の相葉雅紀と黒木メイサが2年連続の受賞となった。また、同月22日には「第25回日本メガネベストドレッサー賞」の表彰式が行われ、優木まおみ、宮本亜門、香里奈、沢穂稀、剛力彩芽などが栄冠に輝いた。

ぼく以外にも、この受賞メンツについて言いたいことがある人は山ほどいるだろう。が、この件に関しては論じることは「24時間テレビってなんで毎年走るの」と同じぐらい不毛なことなのだ。どうせ、年末には賞を贈った側も、もらった側も、報じたメディアも忘れていることだし、そっとしておくに限る。

しかし、この「クイーン・オブ・ショート」は上記のような事務所の力関係とかタイアップとかで左右される賞では断じてない。
例えば、この賞がもし、大手芸能事務所主導のものだとしたら、A○B48の篠○麻里子あたりが連続で受賞していたことだろう。なるほど、たしかに彼女にショートカットは似合う。そこは認める。メンバーの中でも大人っぽい彼女のパーソナリティをショートがさらに際立たせていると言えるだろう。でも、残念ながら「クイーン・オブ・ショート」に選ばれるほどのショートではない。一言でいうと、“物語性を感じない”のである。これは彼女自身にではなく、流行ものだから良しとする軽薄なマスコミに向けて言っているのである。

では、この“物語性”とは何か。これについては、「ジブリ映画」を例に説明したい。
「カリオストロの城」のクラリス、「ナウシカ」のナウシカ、「ラピュタ」のシータ、「となりのトトロ」のサツキ、「魔女の宅急便」のキキ、「もののけ姫」のサン。以上、これら宮崎駿監督の初期作品のヒロインたちはすべてショートカットである。

特に興味深いのは「ラピュタ」のシータだ。彼女は最初、「ネジリンボウ」(「あしたのジョー」参照)のようなお下げを左右から垂らしていたのだが、終盤、悪役のムスカによって銃で髪の毛を撃ち落とされた結果、ショートカットになってしまう。
ここまでして宮崎駿がショートにこだわる理由。それは、彼がロリコンなのはもちろんだが、彼の映画とは基本、少年・少女たちの「通過儀礼」を描いているからである。「トトロ」のサツキや「魔女の宅急便」のキキのショートカットは、少女から大人の女性へ成長する端境期を暗示し、「ラピュタ」ではシータの髪を撃ち落とすことによって、「王女としての束縛から放たれた」ことを暗示しているのである。それは「ローマの休日」でオードリー・ヘップバーンがお城を抜け出して髪をばっさりと切り落としたことと同様に、自由を手にしたことを意味している。

ぼくにとってのショートカットの物語性とはこういうことなのである。ぼくや宮崎駿のような、女がショートにする=男と別れた(若しくはそれに準じるようなことがあった)を結びつけてしまうような「ショートカット原理主義者」には、似合う・似合わないはもちろん、一目で「何があったんだ」と思わせてくれるようなインパクトが何よりも大事なのだ。

さて、長々とゴタクを並べてきましたが、ここでついに「クイーン・オブ・ショート2012」の発表です。まずは3位から。
3位は、剛力彩芽さん。
選評:久しぶりにショートカットが似合う新人女優が現れたと言う感じです。荒木飛呂彦先生の言葉ではありませんが、孤独感をたたえたキリリとしたつり目に黒髪のショートカットがよく似合います。「メガネドレッサー賞」に続いて2冠ということになりますね。

2位は、原田知世さん。
選評:『リンネル3月号』の表紙は衝撃的でした。映画「時をかける少女」の頃のショートカット時代を知らない世代のぼくにとっては、まさに時をかけて見ることができた原田知世さんのショートカット。今回は2位でしたが、殿堂入り決定です。

そして1位は、石川佳純さん!
選評:ぼくがオリンピック中継で見たのは石川選手の試合と閉会式のザ・フーだけです。清潔感、凛々しさに満ち溢れた、これぞ「クイーン・オブ・ショート」。何よりも、4年前に別れた彼女に顔が似てる。以上です。

 

-ヒビレポ 2012年11月6日号-

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