ぼんやりクッキング 第8回

オランダ・アムステルダム ハーリングサンドウィッチ

カルロス矢吹(第2号で「尿ボトルとコンドーム」執筆)

「メシが不味い」といえば、一般的にはイギリスが=(イコール)で結ばれてしまうが、オランダも中々いい線を行っている。理由は明白で、オランダはキリスト教プロテスタントを選択した国だから。贅沢を是としないプロテスタントの規範の下では、食文化など発展する筈もない。食べ物が不味いというより、ひたすらに質素という方が正しいか。僕が泊まったホテルの朝食も、薄いコーヒーにバターもつかないトースト1枚と、「これだけあれば人間は死なない」と言わんばかりの最低限のメニューであった。
 カトリックを選択した、お隣ベルギーのメシの美味さと比べたら、その差は歴然。ムール貝だけじゃなく、バゲットひとつ、ケバブひとつ取っても、ベルギーの食べ物は完成度が高かった。ビールも種類多いしなぁ。大好きだよ、ベルギー。

 とはいえ、オランダに名産がない訳ではない。ハーリング(ニシン)のサンドウィッチが、その数少ない名産の一つである。
 僕がアムステルダムに行った時も、主だった駅前には必ずハーリングサンドウィッチの屋台が出店していた。アムステルダム中央駅前の屋台を覗くと、メニューは「ハーリングサンドウィッチ」のみ。潔いなぁ。「ワン・プリーズ」と買ったら、それは細長のパンに切れ目を入れて、ニシンとタマネギのみじん切りを挟んだだけの、本当に簡素な食べ物であった。「タマネギ大目に入れとくね!」と店のおばちゃんが言っていたので、これでも豪勢な方なのであろう。店によっては、タマネギもいれないのかもしれない。
 どれ、肝心のお味の方は。いただきまーす。パクモグ。う~ん、ニシンが塩味キツめで酢漬けにしてあって、パンに挟んであっても塩気と酸味がダイレクトに口を刺激してくる。みじん切りにされたタマネギのサクリサクリとした触感と、微かな辛味も効果的。でもあくまでも主役はニシン。ボボーと鳴く船の汽笛を聞きながら、風に乗って運ばれる潮と大麻の煙の匂いを嗅ぎながら、ハーリングサンドウィッチを食べきった僕は思った。
 喉が渇いたな。

 というわけで、今回も思い出して行きます。用意した材料はコチラ。

 ニシン     1尾
 塩       適量
 白ワイン    適量
 酢       適量
 ニンニク    一片
 タマネギ    1/4
 コッペパン   1個

 

 

 まずはニシンの酢漬けを作る。コッペパンの長さに合わせて、ニシンを切り揃えて、ニシンを万遍なく塩で揉んでいく。そしたらニシンとスライスしたニンニクをタッパーに移して、ワインと御酢を1:1の割合(気持ち御酢が多い方がいいかもしれない)で投入。冷蔵庫に入れて1日寝かす。
 24時間以上経ったら、もう十分味が染み込んでいるので使ってOK。コッペパンに切れ目を入れて、ニシンを挟んだら、適当に刻んだタマネギをふりかけて、完成。
 では、いただきまーす。パクモグ。ん~、ちっと塩気が足りなかったが、それ以外はほぼ完璧。塩と酢は、ちょっとやり過ぎなくらいが丁度いいのかもしれない。
 今回は、まぁまぁ成功ですね。

 次回は、ドイツ・ミュンヘンを思い出します。

-ヒビレポ 2012年11月22日号-

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