ぼんやりクッキング 第9回

ドイツ・ミュンヘン カレー・ヴルスト

カルロス矢吹(第2号で「尿ボトルとコンドーム」執筆)

 昨年秋、ミュンヘンで働いているルーマニア人、ロブが「カモン!」と行ってくれたのでいそいそとドイツまで遊びに行ったのですが、驚かされたのはドイツ人の質素なこと質素なこと。ロブのルームメイトのドイツ人マルテが、「ウイイレやろうぜ!」って誘ってくれたので、部屋でサッカーゲームやろうとしたら、そこにあったのはぶ厚いブラウン管TV。この薄型TV全盛の時代に。「壊れてないからね!」とはマルテの弁。仰る通りで。
 じゃぁやろうか、とゲームにスイッチ入れたら、あーらビックリ、使用ハードがPS2だったのはまだいいとして、画面に映ったのは「ウイニングイレブン6」。最早約10年前のシリーズ。画面ではデニス・ベルカンプ(現アヤックス・ユースチームコーチ)や、ルイス・エンリケ(現スペインTV解説者)が躍動していた。野球で言うなら、落合や原が現役のファミコンソフトで対戦している様な感覚か。「新しいの買わないの?」と聞いたら、「壊れてないからね!」と再びマルテの弁。う~ん、仰る通り・・・。
 とまぁそんなこんなで、噂には聞いていた「豊かさを放棄した国」ドイツの国民性を、僕は間近で見ることが出来た。スーパーにはマイバック持参、高い税金、お金のかからない医療と、まるで北欧の様にモデルチェンジしたドイツ。元々質実剛健な国ではあったが、そこに拍車がかかった、ということだろうか。

 そんな訳で、彼らは食事もまぁまぁ質素なのだが、決して「貧相」な訳ではない。というのも、オクトーバーフェスを見ればわかるように、殊「ビール」にかけてはドイツ人も「壊れてないからね!」とは言わない。その拘りは半端なく、アルコール度数や醸造形態など、様々工夫を凝らしたヴァラエティ富んだビールがスーパーに行くとズラリと揃っている。
 しかし、その「ツマミ」となると文字通り一気に「ソーセージ一本」に集約される。オクトーバーフェスも行ったが、見事にソーセージしか売っていなかった。綿菓子やチョコもあったが、まぁそれはまた別枠だろう。ただ、ソーセージの中でも5種類ほどヴァラエティがつけられている。その中で僕が一番好んで食べていたのが、焼いたソーセージにカレー粉をまぶしただけの、カレー・ヴルストだ。カレー粉が、ぷりっぷりのソーセージの脂身のしつこさをキュッと抑えてくれて、アルコール度数の高いドイツビールのアテには丁度よかった。とはいえ、ほとんどのドイツ人はビールばかりでツマミなんかには目もくれてませんでしたが。

 では、今回もこのカレー・ヴルストを思い出して作ってみよう。用意した材料は「コチラ。

 ソーセージ 5本
 カレールー 一片

 

 

 これだけである。今回は、調理と言える手間はほとんどかからない料理なので、敢えてカレー粉ではなく、カレールーをフードプロセッサーで削ったものを上からかけてみることとする。
 まずはソーセージをフライパンで焼く、その間にフードプロセッサーでカレールーを粉々に。焼き上がったソーセージを皿に盛って、その上から粉状カレールーをパラリとかけて、完成。
 では、いただきまーす。カプッ! う~ん、カレールーだと、味が「多い」な。あまりにも主張が強くて、むしろソーセージの味わいを邪魔している。これは完全な失敗、普通にカレー粉をかけた方が、ビールのお供には相応しい気がする。
 ただ、たまたま遊びに来ていた母親に食べてもらったところ、「これはこれで美味しい」と言っていたので、まぁ元を知らなければ案外これでもいいのかもしれない。

 次回は、スイス・ルツェルンを思い出します。

-ヒビレポ 2012年11月29日号-

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