MAKE A NOISE! 第4回

メリル・ストリープのお言葉(第1回をご参照下さい)に従い、まだ知れ渡っていない面白い映画をロンドンからMake a noise!
 

ドラン

 

山口ゆかり
 
 
 

国の文化度を測る指標は様々ですが、私の指標で文化度が高いのはフランスです。
映画の公開具合を見てるだけなので、指標というのも大げさですけど。

フランスでは良い映画の劇場公開が多い。
映画の公開は、製作国、そして海外でも、というのが一般的ですが、製作国より早くフランスで公開となる映画もあったりで感心。さすがおフランスざます。

東京-大阪と同じ位の時間で行けるロンドン-パリ、近いのに異文化なのも両方に共通?

 

 

今回の、カナダはケベックの映画人、ザヴィエル・ドランの監督作全3本も、フランスではもれなく劇場公開されてます。ケベックはフランス語が公用語で、フランス語の映画なせいもあるでしょうが、もちろんそれだけではありません。

『I killed my mother』 
20歳の監督、主演、脚本、プロデュース作!
カンヌで8分間のスタンディングオベーション!
イケメン!
だけどゲイ!(女性の落胆を表すもので、差別するものではありません。)
と、いくらでも!が連発できる衝撃的監督デビューだったので、2010年にささやかながらMake a noise!できました。http://www.cinematoday.jp/page/N0023447

映画の内容、ドランの略歴は上の記事をご覧いただくとして、ほんとうに若い映画製作者なのに、描いているのは思春期でも、描き方が未熟ではないのが驚き。むしろ、良く練れて、しっかり計算されている。
いろいろな映画からの影響も見受けられ、たくさん映画を見ているのであろうことに、子役暦もあるので若くてもプロとして映画にかかわったのが長いせいかも知れません。

作品にもワクワクでしたが、日本でならアイドル人気になっちゃうかもとワクワク。この記事にある写真の向かって左、黄色いセーターの方がドランです。
綺麗で才能あるものに女子が騒がないわけがない。ゲイなのはマイナスにならないと踏んだわけですが、日本では劇場公開されませんでした。チェッ!
『マイマザー・青春の傷口』としてシネフィル・イマジカで放映されたようです。

イギリスでは、映画祭での上映後、全国ネットのテレビで公開でしたが、ドイツでは劇場公開されてます。ちょうど2011年のベルリン国際映画祭取材時でした。たまたま手に取った雑誌が5つ星評価。ドイツ語読めないですが、ほかに2本あった5つ星の作品も趣味良かったです。その2本とは、ご存知オスカー4冠の『英国王のスピーチ』と、マイク・リー監督お人が悪いと思ってしまったほど、痛い中年独身女性の描写が上手い『家族の庭』です。

公式サイトhttp://www.kfilmsamerique.com/affiche_jai_tue_ma_mere.shtml

 
 
『Heartbeats』
監督2本目も自分で主演。ゲイの男の子(ドラン)とその女友達がそろって美青年に恋してしまうという三角関係を描いたドラマです。

さすがに1本目ほどの衝撃はないけど、遊び心のあるアートっぽい映像、音楽のかぶせ方の上手さなどますます堂に入って、デビュー作がまぐれじゃなかったことを証明してます。

こちらはイギリス含めヨーロッパ各国に韓国など広く劇場公開。

公式サイトhttp://www.lesamoursimaginaires.com

 
 
そして、監督3本目がようやく日本で劇場公開らしい。
でも、経済がしんどい日本は、配給が厳しくなるのもしょうがないかもしれません。これはと思う作品が日本に行かない反面、イギリスにも、これは良いに違いないという邦画が思うように入ってこないので、どこにいても一長一短ということもあるし。

ちなみに、この監督3本目は、アメリカでも、ガス・ヴァン・サントがエグゼクティブ・プロデューサーに加わり、劇場公開となるようです。アメリカもドラン監督作の劇場公開まだだったんです。アメリカについては、文化度低いのか、商売人としての目が厳しいのか、よくわかりません。

次回はそのドラン監督3本目。乞うご期待!

 
 
-ヒビレポ 2013年1月23日号-

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