MAKE A NOISE! 第8回

メリル・ストリープのお言葉(第1回をご参照下さい)に従い、まだ知れ渡っていない面白い映画をロンドンからMake a noise!
 

ベルリン国際映画祭

 

山口ゆかり
 
 
 
 
 

映画祭取材で、ベルリンに来てます。
今回はベルリン国際映画祭についてMake a noise!
 

ベルリン国際映画祭開幕日のメイン会場前 (撮影:著者)

 
 
この映画祭の特徴は、寒いことです。
同じく三大映画祭に数えられるカンヌとベネチアなんて、気候の良い南フランスのカンヌで5月、イタリアの水の都ベネチアで9月です。
それがドイツのベルリン!しかも2月!なんてこったー!は言いすぎですが、寒すぎです。

薄着で歩けるカンヌ、ベネチアと、しっかり防寒しないと死ぬかもしれないベルリン。
気候の違いは、映画祭の雰囲気をかなり決定付けているはず。
ベルリン映画祭の受賞作に社会派の良作が多いのも、寒いせいじゃないかとにらんでます。寒いとこで人は浮かれ気分にはなかなかなれない。どちらかというと深刻になるもの。

と常々考えてたんですが、ベルリン映画祭を寒さで説明しちゃうのは馬鹿っぽいと思わないでもなかったんです。
でも、もう大丈夫。昨年の審査員長だったマイク・リー監督も同様のこと言ってました。
私なんぞより、ずっとたくさんの映画祭に参加してきたリー監督のお墨付き。
さすがに寒いから社会派とまでは言ってませんでしたが、キリリと身の引き締まる寒さがなんたらみたいな、寒さを称えるようなこと言ってました。
そうか、こんなふうに言うと馬鹿っぽくならないんだな。

リー監督も称えることですし、寒いのは許すとして、雪は許せない。これまで何度転んだことか!
朝、宿を出ると、前日までの雪がカチカチに凍ってる上に、新しい雪がふんわりとかぶさってたりします。トラップかい!
カメラを守らなくては、が頭にあるせいか、いつもカメラが入ったバッグを両手で抱きかかえる形で転びます。
だから手をつくことができず、腰!頭!みたいな順で強打するスッテン転び。

ドイツ人カップルらしき男女に、心配していただいたことも。
「大丈夫?」と心配そうに覗き込む彼女に、「大丈夫です!」反射的にすっくと立ち上がったところ、再度「ほんとうに大丈夫?」よっぽど大丈夫じゃなく見えたんだな。
その間、彼氏のほうは、やや離れたところで微笑んでおられました。彼女に比べて親切心が足りないのではなく、雪上でひっくり返ってるオリエンタル女性の恥の部分を察してくださったのでしょう。
それぞれ良く出来たお人柄のカップルなことよ。
「ええ大丈夫!」と爽やかな笑顔を残し立ち去った(描写は主観によるものです)後、振り返ってカップルの姿がないことを確認し、痛みが癒えるまであちこちさすっていたのは言うまでもありません。

というようなことを度々やっているので、ベルリンの心配はそれ。
金熊賞の行方とかより、手を使わない受身を研究しといた方がいいかと思わせる雪が、実は最大の関心事だったりします。

そして今年は、今のとこ雪なし!やっほー!

次回もベルリンからお送りします。

 
 
-ヒビレポ 2013年2月20日号-

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