北朝鮮ポップスの調べ 第1回


「統一列車」

 
カルロス矢吹
(第11号で「あれはもう、北朝鮮です!」執筆)
 
 
 
カルロス矢吹(以下:カ)「こんにちは、カルロス矢吹です。」

アンドル・ジュン(以下:ジュン)「こんにちは、アンドル・ジュンです」

カ「えー、この連載はですね、僕が季刊『レポ』最新号に板門店のレポートを書かせてもらったりした関係で、北朝鮮関連のお仕事が増えて来まして。その中で偶然触れた北朝鮮のポップスが余りに素晴らしかったので、この場を借りて毎週1曲を取り上げまして、僕の北朝鮮の伝道師、アンドル・ジュンさんに先生として講義をしていただこう。という企画でございます。よろしくお願いします」


ジュン「はい、よろしくお願いします」

カ「簡単に、アンドル・ジュン先生のことを説明させて頂きますと。ジュンさんは日本生まれの在日コリアンでして、度々北朝鮮にも足を運んでいらしており、あちらの文化や風習などが肌感覚でわかってらっしゃいまして、僕が北朝鮮に関してわからないことがある度、電話やらメールで色々教えてもらっております。ただ、少々ワケありでこういうプロフィール写真になっております(笑)」

ジュン「はい(笑)」

カ「で、本題なんですが、音楽っていうのは、その土地の背景が面白いくらい表に出てくるものなので、楽曲を通して、僕らの知らない北朝鮮の人達の習慣や志向なんかも知ることが出来たらなと思っています。では、第1回目はどんな曲でしょうか」

ジュン「『統一列車』という歌です。北の人達はみんな歌えるんですが、まずは聴いてもらいましょうか」

(北朝鮮版)
 
 

 
 

(韓国版)
 
 

ジュン「南北を駆け抜ける列車になぞって、南北統一を願う。という歌なんですが、同じタイトルでも韓国版だとこれだけ違います」

カ「韓国版も同じ作者なんですか?」

ジュン「いえ、タイトルが同じなだけで、違う曲なんです」

カ「あ、そうなんですか。韓国よりもダンスミュージック寄りで、実際映像でもみなさん踊っていますね」

ジュン「韓国人も同じなんですが、北の人達も歌ったり踊ったりは大好きなんです。ていうのも、他に娯楽がないんですよ。遠足のバスに乗ったりすると、『歌えー』ってマイクが回ってきたりして。そこで断ったりすると、ちょっとKYなくらいですね。この『統一列車』は色んな行事ごとやパーティーでは必ず最後にかかる曲なんです。忘年会とか、最後には必ず、動画の様にみんなで肩を組んで列車みたいに連なって」

カ「なるほどなるほど、そういう行事ごと、パーティーみたいなものって、何時くらいまでやってるものなんですかね。日本だと、大体そういうのって朝まで飲んだりするじゃないですか」

ジュン「うーん、案外時間の概念は緩いんですよね。日本みたいにオールナイトでやってるところはないから、基本帰るんですけど。パーティー、合コンとかも多分やってると思うんですけど、スタートは、そんなに遅くないですね。普通に、夕飯を食べ始めるくらいの時間で。ただ、宴会が始まると長いんですよ。平壌に住んでいる人同士だと、そんなに飲まないと思うんですけど、私なんかが行くと観光ガイドさんや政府の人もついてくるんで、0時くらいまでは平気でみんな飲んでますね。時々、朝まで飲んでいる人とかもいますけど」

カ「北朝鮮だと、お酒って何飲んでいるんでしょうか」

ジュン「ビールも、最近は飲むんですけど、平壌焼酎っていうあんまりマイルドじゃない、凄いドギツイ40〜50度くらいのヤツ飲んでますね」

カ「そうやって飲んで、最後には・・・」

ジュン「『統一列車』で締めですね」

 
 
 
-ヒビレポ 2013年4月5日号-

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