杉江松恋の「違う方向に努力する」VOL.1


杉江松恋
(第11号で「10年、20年、30年経っても楽しく遊んでいられるライターでいたい。それだけなんだ」を執筆)

 
 
 

季刊「レポ」最新号のライター特集があちこちで話題になっていると聞いた。巻頭記事を書かせてもらった身としては嬉しい限りである。記事は私も熟読させていただいた。励みになるよね、これ。同業者諸氏、がんばりましょう。

さて、新連載である。
前回の連載「実券でヨロシク!」は、自分に実券力(=お客さんが『金を出してもあいつが見たい/本を買いたい』と思ってくれるほどの人気)がないことを痛感したことが出発点になっていた。「じゃあ、どうやったら実券力がつくだろうか」という最初の問いかけは、だんだん「ライターとして自分はこの先どうやったら生き残っていけるのだろうか」という趣旨に変わっていった。連載を続けながら、自分でもいろいろなところの考えがまとまってきたように思うのである。

そこで今回は、実践篇として3ヶ月の原稿を書いてみたい。つまり、ライター・杉江松恋が目先の依頼原稿だけではなく、将来につなげられるようなまとまった仕事を確保するためにひとつひとつ段階をこなしていく過程を、同時進行で(1週間遅れちゃうんだけど)お見せしていこうということである。ひさしぶりに出版社に持ち込みとかしてみようかな。企画書とかもちゃんとがんばって作るよ。ずいぶん長いことサボってしまったので、どうやって書くのかとか細かいノウハウを全部忘れちゃったけど。とりあえず本屋で企画書の書き方とか調べるところから始めないといけないのかもしれません。
 

 
 

現時点でやらなければいけないことは3つある。自分の至らないところをさらけ出すようで恥ずかしいんだけど、以下の3つだ。

その1。連載が減っているのでなんとかしたい。できれば時評の仕事が欲しい。
「実券でヨロシク!」にも書いたんだけど、そうなのですよ、連載がここ数年ぱたぱたとなくなっていて淋しい限りなのである。媒体の種類はもうこだわらないが、原稿を定期的に書く場所をもう少し確保しておきたい。贅沢を言うならば、信頼できる編集者と組んで自分でもやる意味のある仕事を増やしたい。この「信頼できる編集者」というのが大事なところだ。電子媒体で仕事をすることが多くなって感じたのが、編集者の役割の重要性ということである。当たり前なんだけど、やっぱり編集者は必要! きちんと原稿を見てくれて、時には内容にまで踏み込んで議論のできる相手とやる仕事をもっと増やしたい。そのためには何をしたらいいのか、というのをこの3ヶ月で考えていくつもりだ。あ、別に今の仕事の編集者が嫌だから、とかそういうことじゃないからね。

その2。単行本の企画を通したい。
これはそのまま。本を出したいんですよ、本を。というか出さなければいけないのに止まっている企画があるので、もちろんこの3ヶ月で再始動させて目処をつける。それ以外に腹案ともっている企画をどこかに持っていって「出しましょう!」と言ってもらいたいということである。上にも書いたとおり、ここ数年サボったせいで単行本の企画の通し方とかは本当に忘れてしまっている。錆びついた頭に脂をさして、なんとか1つくらいは企画を通す所存である。持ち込みとかやったら、この場で報告しますので。
それと現在、共著で進めている本があって、これの進捗も書いていくつもりでいる。プロジェクト名はTKD220だ。原稿用紙で220枚ぐらいの受け持ちなので、数字はそれを表現してみました。

その3。もう少しお金が手元に残るようにしたい。
と、仕事を手伝ってくれているCにこぼしたところ「東方の同人誌を買うのを我慢したらよくね?」と簡単に言い返されてしまった。いやいやそういうことではなくてだね。いや、それもあるんだけど、杉江松恋を一つの事業体と見たときの財務体系をもう少しいい形に改善したいということである。これはもしかすると本職の会計士さんなり税務士さんなりに相談したほうがいいのかもしれない。もし相談したら、差し支えない範囲でこれもご報告します。

という感じである。つまりはそういった、ライターとしてもっとスキルアップしていくさまをみなさんにも見ていただきましょうということなのであった。自分語りみたいになって恐縮ですが、他の人にも何か参考になることがあるかもしれないしな。よかったら、お暇なときにでも読んでやってください。たぶん、読んで嫌な気分になることだけはないと思いますのでー。

あ、それともう一つ。
ライターとしての本分からは外れることになるかもしれないけど、私にはもう一つ努力してみたいことがあるのでった。
それが何かは今はいえないのだけど、ヒントだけは差し上げておきたい。
下の写真をご覧ください。
 

 
 

勘のいい人にはわかってしまったかしらん。はい。そういうことなんですねえ。
ではまた来週お会いしましょう。

 
 
 
似顔イラスト/日高トモキチ
 
 
 
-ヒビレポ 2013年4月1日号-

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