北朝鮮ポップスの調べ 第2回


北朝鮮史上初のラヴソング「口笛」

 
カルロス矢吹
(第11号で「あれはもう、北朝鮮です!」執筆)
 
 
 

カルロス矢吹(以下:カ)「今週は『口笛』という曲なんですが、これどういった曲なんでしょうか?」

アンドル・ジュン(以下:ジュン)「北朝鮮ポップス史上、初めて政治的な歌詞をスルー出来た、初のラヴソングなんですが。まぁ例によってまずは聴いてみましょうか」
 
 

 

 

カ「この当時の韓国歌謡曲を何曲か知っているんですが、それに近い雰囲気を感じますね。リバーブを利かせて、少しスカスカしたサウンドとか。個人的にも、この連載で扱う予定の楽曲の中でも1,2を争う位好きな曲ですね」

ジュン「北朝鮮でも、とてもヒットしました。二十数年前くらいの歌だと思います。歌っているのは、チョン・ヘヨンさん。今は歌手ではなく、幼稚園の先生をされています。この人は凄い人気が出て、それ自体とても画期的なことだったんです」

カ「この歌は、チョン・ヘヨンさんの作詞・作曲なんですか?」

ジュン「いえ、違いますね。北朝鮮には、日本で言うシンガーソングライターの様な人はいなくて、完全分業制なんです。作詞、作曲、演奏、歌、それぞれに特化して訓練を受けた人が職業として就いています」

カ「歌手って、どうやったらなれるものなんですかね。」

ジュン「実力も大事だと思うんですけど、それ以上に地位が高いことが重要なんですね。大体子どものころに見出されないとなれないので。出身身分が考慮されて、歌上手い子どもを集めて、教育を施すと。たまに、工場勤務で、歌が上手くて、才能があって、工場の音楽サークルから見出されて歌手になるっていう人もいるにはいるんですけど・・・。やっぱり稀ですよね」

カ「なるほど。北朝鮮初のラヴソングということだったんですが、どんな歌詞なんでしょうか」

ジュン「女の子を好きになった男が、その娘の家の前まで来て、口笛吹いて気づいてもらう。って感じですね」

カ「それは、女性目線で?」

ジュン「いえ、男性目線ですね。女性歌手が、男性目線で歌っています」

カ「ペドロ&カブリシャス方式ですね」

ジュン「そうですね(笑)」

カ「どうして、この曲だけ政治的な歌詞をスルーすることが出来たんですかね?」

ジュン「多分、この時の政策の転換だったんじゃないかと思うんですけど。この時はまだ金日成氏が主席だったんですが、音楽とか芸術を担当していたのは金正日氏だったんで、金正日氏なりの心境の変化があったんだと思います」

カ「せっかく恋愛の話になったんで、ちょっと北朝鮮恋愛事情を聞いておきたいんですけど。例えば日本て、きちんと告白をするじゃないですか?僕と私と付き合って下さい、って。でも、欧米ってそういうの言わない、どこから付き合ってるかが曖昧だったりする。どちらに近いんでしょうか?それとも、そもそも自由恋愛禁止で、親が決めた相手じゃないと!とか、厳しめだったりするんですかね」

ジュン「恋愛は、基本みんな自由恋愛ですね。ただ、どういう風に付き合うに至るかっていうのは、結構人それぞれで。ちゃんと告白してからの人もいれば、大人の関係になってそれから何となく・・・、って人もいるし。ただ、告白は基本だと思いますね。映画とか観てると、もうほぼ付き合っているようなものだけど、改めてちゃんと言葉にして言うシーンが結構あったりするので。人それぞれだけど、基本自由恋愛で、もちろん紹介もあるし、告白もちゃんとする。って感じですかね」

カ「なるほどね。そこはすごく日本に近いし、アジアの国らしいですね」

 
 
 
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-ヒビレポ 2013年4月12日号-

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