白と黒の報告書 第5回

いつも見られている(前編)

木村カナ(レポ編集スタッフ)

4月20日、中国四川省雅安で、強い地震が発生したことが報じられている。

ジャイアントパンダの生息地である四川省、今回、地震が起きた雅安の郊外には、碧峰峡パンダ保護研究基地があり、被災地の状況として、同基地とそこに住むパンダ約60頭の様子もニュースになっていた【AFPBB News】

四川省では2008年5月にも大地震が起こっている。

このときには、震源地に近かった臥龍パンダ保護研究センターが大きな被害を受けて、そこにいたパンダの引っ越し先となったのが、碧峰峡基地だった。

現在、上野動物園にいるリーリーとシンシンは2005年、臥龍生まれ。四川大地震の後、広州の野生動物園に移されて、その後、上野に送られることが決まってからの約半年間は、碧峰峡基地で暮らしていた。そして、2011年の2月20日に中国を旅立ち、翌21日上野動物園に到着……そこに東日本大震災が! リーリーとシンシンはあんな恐ろしい大揺れを一生に二度も経験している被災パンダなのだ【UENO-PANDA.JP】


上野来園以前のリーリーとシンシンについてはこの本を参照。

被災パンダはリーリーとシンシンだけではない、臥龍から碧峰峡に移住していたパンダも、その辺りの山奥に生息している野生のパンダも。パンダ好きとしては、被災地・雅安近辺への心配に、パンダは大丈夫だろうかという懸念が含まれてしまう。四川大地震のときの臥龍では、崖崩れの下敷きになって死んだパンダがいたというし。今回の地震では、碧峰峡基地のパンダもスタッフも、皆無事だったと伝えられているけれども。

日本パンダ保護協会が発表している碧峰峡基地についての速報の中にこんな報告があった。

  • パンダ達は地震揺れの恐怖から少しずつ落ち着いたようです。うち発情したパンダの自然交尾が成功したとのことです。
  • 電気も水も回復したようですが、停電がよく起こります。繁殖時期で24時間体制でパンダを観察しなければならないので、非常に困っています。

2013/04/20 に起きた雅安の地震について (2013/04/20 19:55)

大地震という非常事態の最中でも、やることはやるのか、発情期のパンダよ。あるいは、パンダにも「吊り橋理論」は有効なのか?

それにしても被災しつつも「繁殖時期で24時間体制でパンダを観察しなければならない」とは! 絶滅危惧種であるパンダの保護・研究において、繁殖が最重要課題である以上、どうしても気が抜けない、手を抜くわけにはいかない、ということなのでしょうが……。

しかしまあ、動物園にいる動物の多くは、繁殖期以外でも、24時間、監視カメラに見張られている・見守られているのである。もちろん上野動物園のリーリーとシンシンもね。

そうした監視カメラの映像というのは、これまでは主に飼育業務用で、録画がテレビに提供されたときなどにたまに見られるぐらいのものであった。

今年の3月11・12日に撮影・公開されたリーリーとシンシンの交尾の有様は、静止画のみならず、動画までもがテレビのニュースの中で盛んに流された、って、わたしはテレビでは見てないのだが、その映像を目にしてしまった人たちにしてみれば、いろいろと思うところがあったようである。『季刊レポ』執筆者の霞流一さんのウェブ日記はいつも楽しみに読んでいるのだけれど、あの日の日記は特に、抜群に面白かったです、ウフフ【霞流一探偵小説事務所:2013年3月12日(火)の報告書】。また、ムッシュかまやつ氏はこんなツイートを。

TVで パンダの ああいうの 見たくない人 沢山いると思います!
ムッシュかまやつ ‏@monsieur0112 2013年3月12日-18:13

「TVで パンダの ああいうの 見たくない」……その気持ちはとてもよくわかる。とか言いながら、わたしが日常的に愛用しているマグカップはこんな柄だったりするのですが。

パンダ四十八手。パンダ四十八手。
数年前にヴィレッジヴァンガードにて購入。

松葉くずし。松葉くずし。
“MATUIBAKUZUSI”とローマ字表記が間違っておりますが。
リーリーとシンシンはこれ?

4月18日のリーリー。

2013年4月18日木曜日、午後のリーリー。

見られていたって、やるときゃやります、寝たくなったら寝るんです。

-ヒビレポ 2013年5月2日号-

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