白と黒の報告書 第7回

愛があるなら

木村カナ(レポ編集スタッフ)

Twitterの上野動物園公式アカウント(@UenoZooGardens)によれば、このGWのパンダの観覧は最大90分待ちであったという……連休中でなければ待たずに見られるって知っている、http://うえのパンダライブ.jp/ だってある、だもんで、GWは結局、上野動物園には近づかずに終わった。ライブカメラでリーリーとシンシンの後ろ姿を見て、こそっと満足していた。

ところで、日本国内でパンダがいる動物園が上野以外にもあるって、ご存知でしたか? パンダ好きにとっては常識のこの事実、一般的には意外と知られていないみたい。

パンダといえば上野、上野といえばパンダ、 なのですが、しかし。パンダといえば上野、上野といえばパンダ、
なのですが、しかし。

和歌山県の「アドベンチャーワールド」。ここでは現在、5頭のジャイアントパンダが暮らしている。非常に難しいとされるパンダの繁殖・育成に何度も成功しているのが同園のすごいところ。南紀白浜という土地の環境の良さに加え、飼育係さんたちの努力があってこその実績である。昨年・2012年、上野動物園で、7月5日に生まれた赤ちゃんが数日で死亡、という悲しい出来事があった一方で、8月10日にアドベンチャーワールドで誕生した赤ちゃんはすくすく成長。「優浜(ゆうひん)」と命名されて、お母さんの「良浜(らうひん)」と一緒に、元気いっぱいに暮らしています。

http://youtu.be/XrG7q0Cfasw

それからもう一ヶ所、「神戸市立王子動物園」にも、2000年に来日したメスのジャイアントパンダ「旦旦(タンタン)」がいる。かつては相方のオス「興興(コウコウ)」もいたのだが……2010年9月、精子採取のために施された麻酔からの覚醒中に急死。それ以後、タンタンが孤閨を守っているのであった。

2008年、夏。所用で鳥取市に行ったわたしは、ついでだからと特急「はくと」で中国山脈を縦断し、神戸に立ち寄った。神戸で京都在住の友人と待ち合わせる計画だったのだが、友人が仕事で来れなくなってしまったため、ひとり、王子動物園をめざしたのである。よく晴れた、蒸し暑い日で、王子公園駅周辺にも、王子動物園にも、ほとんど人気がなかった。

油断してると熱中症になるんじゃ、というような、うだるような夏の午後、暑さが苦手なパンダはもちろん、2頭とも屋内運動場にいた。

在りし日のコウコウ(たぶん)。

外よりはやや涼しいパンダ舎の観覧通路から、ひたすらコウコウとタンタンを眺めていた。写真だけでは飽き足らず、動画も撮ってみたりして……。

 ずーっとパンダ舎にいたので、他の動物はほとんど見ていない。だって、パンダを見に行ったんだからね! 2008年7月当時、上野はすでにパンダ不在、生きて動いているパンダを見る機会は、けっこう貴重だったのである。


王子動物園の売店で購入した
『パンダ写真集 コウコウとタンタン』

神戸までわざわざパンダを見に行った、なんて言うと、よほどのパンダ好きのように思われそうだが、わたしなんかはパンダマニアとしてはまだまだですよ! ボールをパンダの置物と勘違いしたことをきっかけにサッカーというスポーツを知ったと語る黒柳徹子(日本パンダ保護協会名誉会長)を筆頭に、パンダマニア界には驚くべき猛者がいるので……パンダ好きがこうじて、中国でパンダの飼育係になった方(テレビのドキュメンタリーで見た)・世界中のパンダのいる動物園を回った方(ブログ「ぱんだらけ。」参照)などなど、上には上がいるのである。パンダを愛しているのならば、まずはアドベンチャーワールドへ、いやいやいっそのこと、本場・中国へ行きたいぞ!と思いながらも、とりあえず近所の上野に通っている、これはそんな、貧乏暇なし意気地なし、によるレポ。

-ヒビレポ 2013年5月16日号-

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