今朝はボニー・バック 第20回


LOST 〜ランチジャー、再び〜

ボニー・アイドル
(第11号で「原稿料よりバイト料が多くても、ぼくは断然ライターだ!」執筆)
 
 
 

今回、合宿免許エッセイ「LOST」はお休みです。次回からサブタイトルも新たに第2部を再開する予定です。なので、久々にランチジャーについて語ります。
まずは、今年、新しく我が家にやって来た3つのランチジャーの紹介から。

① 象印 LPE-1800「ほか弁」(エンジ色)
レトロ商品を扱う某ネットショップで、5,800円で購入した70年代製のデッドストック品(未使用)。
商品キャッチに「象印のランチジャーの中では一番豪華な仕様」とあったように、標準装備のオカズ容器、メシ容器、汁容器に加えて、水筒、調味料入れ(2個)が付いた逸品。さらに、メシ容器の蓋に爪楊枝を一本セットできる隠れ機能も装備。奥さんが旦那さんのために爪楊枝をセットしているのを想像するだけで微笑ましくなります。
 


 

② 孔雀印 PL-1「ハイランチャー」
ヤフオクで1,900円で落としたピーコックのランチジャー。梱包されてきた箱の蓋の裏には「昭和44年11月20日」とマジックで書かれている。最初の持ち主が購入した日付だとしたら、1969年製!ビートルズまだ解散してないじゃん。
ぼくがこの商品に目を付けたのは、完全分離式のバッグ型になっている点である。円柱状の保護器にオカズ容器×2とメシ容器を収納し、さらに皮製のバッグに入れて持ち運ぶ方式。ランチジャー黎明期の資料としても貴重な品である。お手拭き付きだが、箸はなし。
 

 
 

③モーニング娘。オリジナルステンレスミディーランチジャー
これもヤフオクで落とした商品。800円だった。いわゆるノベルティグッズで、ナショナルのエアコン「Kirei」を購入するともれなく付いてきたもののようだ。第5期までのモー娘。メンバーがプリントされている。中は、メシ容器とおかず容器のみ。保温機能を担う汁容器のないものはランチジャーとは認めていないぼくだが、モー娘。とランチジャーという組み合せがツボにハマり、買ってしまった。
これはすでに使用したのだが、汁容器がないとか以前に、絶対的に容量不足である。オカズ容器なんか、イワシの南蛮漬けと玉子焼きを入れたらもう容量いっぱい。漢(おとこ)の弁当とは言えないだろう。
 

 
 

 
 

これら新入りを含め、ぼくは現在6つのランチジャーを所有している。我ながら、この年にしてはけっこうなランチジャー持ちだと思う。いつか、鉄瓶を集めている山田五郎さんとお互いのコレクションを自慢し合いたいものである。

 

 
 

しかし、正直なところ、これらランチジャーに十分な活躍の場を与えているとはいえない。元々、ランチジャーは工事現場の作業員や大工さんなど、屋外で仕事をする人たちが温かい食事をとるために発明されたお弁当。一日中、家で原稿書きしているか、バイト先でパソコン仕事しているぼくには無用の長物なのである。
また、ぼく以外にも、仕事内容が内勤に変わったためにランチジャーを持て余しているユーザーも多いと聞く。そこで、家に居ながらにしてランチジャーを一層美味しく食べることができる、汗と泥にまみれた「現場の漢」たちが登場する映画をざっくり紹介したい。
 
 
「大脱走」(米/1963年公開)
この映画を最後に観たのはいつだっけ。中学生の頃かな。とにかく、細部はほとんど忘れてしまったが、捕虜収容所が舞台なのに、やけにトンネルを掘る様子が楽しげだったのが印象に残っている。172分という上映時間を長く感じる人は、お弁当タイムのBGMを「大脱走のマーチ」にするだけでも雰囲気出ます。
 
 
「黒部の太陽」(日/1968年公開)
裕次郎には泥付きが似合う。
これがこの映画を観たぼくの感想。それまでは、タキシードに馬鹿デカいブランデーグラスを持って歌っている姿か、「西部警察」で電話番をしている石原裕次郎しか知らなかった。見た目も太っていたし、なんでこの人がスターなのかちーとも分からなかった。それがまあ、この映画ではカッコイイことカッコいいこと。この人にはタキシードやヨットよりも「作業服&ほっぺに泥」の方が似合う。
ちなみに、ぼくはこの映画を去年の3月、東京国際フォーラムで行われた「裕次郎の夢」という東日本大震災のチャリティイベントで鑑賞したのだが、上映後、なぜか観客全員に「西部警察」のイラストが入った焼肉のタレとドレッシングが配られた。
 

 
 

「幸福の黄色いハンカチ」(日/1977年公開)
東映を離れ、任侠映画のイメージからの脱却を図った健さん。その背中では唐獅子牡丹ではなく、ランチジャーが泣いていた・・・。健さんの役柄は、殺人罪の刑期を終え、出所してきたばかりの元・炭坑夫。ランチジャーは、健さんが事件を起こす前、いちばん幸せだった時の回想シーンに登場する。「ランチジャー=夫婦愛」という山田洋次監督の粋な演出。
勉強不足もあり、今のところ、ぼくが観た映画の中でランチジャーが登場する唯一の作品である。「他にもランチジャーが出てくる映画知っているぞ」という方がいらっしゃいましたら、shojinoboru@gmail.comまでご連絡いただけると嬉しいです。
 
 
「どですかでん」(日/1970年公開)
スラム街を舞台にいくつかのオムニバスで構成されているこの映画。どの登場人物もランチジャーが似合いそうな風貌をしているが、中でも、夫婦交換をあっけらかんとする井川比佐志&田中邦恵の土方コンビはランチジャーを持っていないのが不思議なほどである。
ランチジャーとはまったく関係ないが、「ドリフ大爆笑」のコント「バカ兄弟」はこのコンビがモチーフになったのではと、今回、映画を見直して思った。
 
 
なぜこれらの作品がランチジャーを食べる時にいいのかほとんど説明できなかったことをお詫びします。次回からは、合宿免許エッセイ第2部をお送りします。

 
 
 
-ヒビレポ 2013年5月15日号-

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