昭和歌謡宅急便 Ⅱ  〜重箱の隅つつき隊〜 第10回


忘却についての一考察

田中 稲
(第11号で「大阪から来た女」執筆)
 
 
 

さて、みなさん。大切な締め切りを忘れた事はありますか。
私はあります。まさに今っ、うおーーん!!!

このヒビレポ、すました顔でいつも通りアップされていると思いますが、
実は締め切り過ぎてるのに慌てて書いているという為体(ていたらく)でございます。
ヒラカツさんに待って頂きました。とほほほぅ。

その理由が「仕事が忙しい」「情熱的な恋愛をしていて原稿どころではない」だったらまだしも。

「土曜日飲み過ぎて2日程頭ボンヤリして締切すっかり忘れてた」

という我ながら「社会人としていかがなものかッ」と己の頭を叩きたくなるような理由……。

いや、しかし!この失敗に対する「いいわけ」すらも昭和の歌詞風に表現する。それが今の私に託されたせめてもの使命の気がいたします。

● 僕の集中力が赤い風船みたいに大空に飛んでった ライラライラライ(←フォーク風)
● アデュー 叶わぬ願いと知ってるけれど 時間の針を戻したいの (←ムード歌謡風)
● 馬鹿な酔っ払いが ひとり 私が悪いと 泣いているのサ(←演歌風)

なんでしょう。書くほどにたぎるこの虚しさは(泣)。
自分の首を自分で締めているような気がいたします。ぐえっ。
 

 

いやいや、落ち込んでいる場合ではない、私!
時間が無いのだ。書け、書くのだ。

嗚呼、こういう追い詰められた状況でも、パッと短時間にオモローな原稿をまとめる発想力がほしいっ。
昭和の音楽界を語る上で外せない天才、加藤和彦さんは、ザ・フォーククルセダーズ時代、政治的配慮を理由に、発売直前で自粛が決定した「イムジン河」の代わりに

「なにか別の曲を3時間で作ってくれい!」

とカンヅメにされ、「くっそーぅ、いきなりそんな無茶言われるなんて、悲しくてやりきれんわ!」…とばかりに、約30分ほどで、かの名曲「悲しくてやりきれない」をパパッと作ったという話は有名。なんという才能。なんという機転!!!
私なんかきっと「あわわわ、3時間ッ? あわわわわ!!!」とパニクって終わりだなー。もしくは「イムジン河」がダメなら、 とばかりに河つながりで家の近くに流れている「淀川」とか作って困惑させそうな。

 
 

 
 

まあ、天才と己を比べてもそれこそ限りない虚しさが明日も続くだけでございます。
人間、忘れることだってあるさ。歌謡界のご意見番、谷村新司御大も優しく卑猥に励ましてくれているではありませんか。

「忘れていいの」

と…。

 
 

 
 

この曲のCMで、谷村御大は、ドヤ顔カメラ目線のまま、デュエット相手である知子さんの胸元にジワワワと手を入れるというアーティスト初の荒業を披露し、曲のPRはもちろん

「俺はスケベだ! ああ、スケベだとも!!」

と一般視聴者に堂々とカミングアウト。その清々しいほどの開き直りが、世のエロ中年に勇気を与えたものでございます。

……ありり? なぜか話は「エロの解放」方向に進んでおりますが、違う違うそうじゃない。テーマは「忘却」!流れる世の出来事は全て諸行無常。「忘れる」ことで次の物事を受け入れる心の隙間ができるのは確かなのでございます。

かといって物忘れはほどほどにしないとおぅぅ。
酒が悪い、酒がっ!(←パニックは続くよどこまでも…)

んもう書いていて我ながら何が何だか(泣)。
まあ、いつもの事でございますがなもし。。

チーターも歌っておるではないか。人生はワンツーパンチ。
くううっ、ベソかきながら生きてやるわっ。

 
 

 
 

「田中さん、無理に焦って書くよりいっそ一回お休みしたほうがよかったのでは」
というご指摘はお願いノンノンご遠慮勘弁…。

 
 
 
 
-ヒビレポ 2013年6月4日号-

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