今朝はボニー・バック 最終回

隠れ巨乳について

ボニー・アイドル
(第11号で「原稿料よりバイト料が多くても、ぼくは断然ライターだ!」執筆)

 
 
 

隠れ巨乳——。
言葉の響きからも、「まさかあんなコが」「こんなトコにいるとは」という意外性からも、その衝撃度合いはドラクエのはぐれメタル並である。
はぐれメタル含めメタル系スライムの逃げ足が速い理由は不明だが、女優、タレントが本来、商売の上で武器となるはずの巨乳を隠すのは何故か。それは、「イメージが限定されるから」に他ならない。
その隠蔽工作はすさまじく、雑誌なんかのプロフィールには、実際の数字から一段下げたバストサイズを申告することもあるという。脱税ならぬ脱乳行為である。

脱入の例として、われわれ隠れ巨乳ウォッチャーの間で“元祖隠れ巨乳女優”と言われている戦後の日本を代表する女優、原節子を挙げて説明したい。
今、ぼくの手元に原節子の出演作は黒澤明監督作「我が青春に悔いなし」しかないが、彼女が巨乳だという証明はこの一本でも十分でもある。冒頭のピクニックのシーン、「ブラウスのボタンを引き千切らん」とばかりに主張する胸の膨らみに注目してほしい。
ぼくもこの映画を見るまでは原節子のことを同時代にハリウッドで活躍したオードリー・ヘプバーンと同じイメージに捉えていた。ところがどっこい、実際はマリリン・モンローと同じポテンシャルを秘めていたのである。
当時はキスシーンだけでも衝撃的と言われた時代。彼女にも映画関係者にも、ハナからセクシー路線で売り出すという考えはなかったのだろう。「永遠の処女」というキャッチフレーズや「晩秋」「東京物語」をはじめとする小津作品における役柄が、その胸にさらしを巻かせてしまったのである。
 

 

「役者の素質を計りたいなら、まず走らせてみることだ」
たしか北野武監督だったと思うが、こんなことを言っていたような気がする。その役者の姿勢や身体能力、クセを見抜くには、まっさらな状態で走らせてみることが一番なんだという。
なるほど。たしかにそうかも知れない。そして、これは隠れ巨乳を見抜く際にも最も有効な手段なのである。
いくら幾重にも服を着込んでいたとしても、走らせたら巨乳かどうかは一目瞭然。隠れキリシタンを暴く際に使った踏み絵と同様の効果である。これまで何人もの女優、タレントが走るシーンによって真のサイズを暴かれてきたことか——。

今、若手女優の中で最も隠れ巨乳といわれているのは、やはり長澤まさみだろうか。疑惑がささやかれ始めてから現在に至るまで、ネット上での加熱ぶりは衰え知らず。老婆心ながら「もうそろそろ殿堂入りということで解放させてあげたら」と思ってしまう。
ちなみに、ぼくが今、注目しているのはベッキー、関根麻里、そしてIMARUである。機会があれば是非走らせてみたいものだ。

最後に、マスコミの間では「菊タブー」「鶴タブー」と並んで、「乳タブー」と言われている「O・Y」について触れておきたい。
世界で最も有名なロックバンドのメンバーの嫁さんであり、作品を通して平和活動を展開しているアーティストといえば、ピンとくるだろうか。このO・Yに関する報道と言えば、未だに夫が所属するバンドを解散に追いやっただの、前衛すぎる芸術活動に関することばかりで、彼女の巨乳に言及したものは少ない。
その証拠をご覧になりたいというのなら、あくまでも自己責任で、「トゥー・ヴァージンズ」とネット検索をかけてほしい。いかがだろうか。ジョン(あ、)が惚れた理由も分かるというものである。本人もその巨乳ぶりを自覚しているらしく、「ジョン・レノン・スーパー・ライブ」かなんかで来日する度に胸元が大胆に開いたファッションでマスコミの前に登場している。
それにしても、これほどありがたくない巨乳というのも珍しい。
1974年に福島県郡山市で開催された野外フェスティバル「ワン・ステップ・ポップ・フェスティバル」で、トリを飾ったオノ・ヨーコが感極まって穿いていたパンツを客席に放り投げたけど誰も拾わなかったという噂を聞いたことがあるが、あり得ない話ではない。
ヨーコから電話がかかってくるかもしれないのでこの辺で。
             ★
無事、今回で連載を終えることができました。全11回続けた合宿免許エッセイは、童貞喪失10年目の今年、どうしても形として残しておきたかったのです。読者のみなさん、くだらない文章にお付き合いいただきありがとうございました。書く場を与えてくれた北尾トロさん、ヒラカツさんをはじめとする「季刊レポ」関係者のみなさん、ありがとうございました。
現在、「IRORIO」というポータルサイトでも記事を書いてます。できるだけ毎週金曜朝の更新を目指すようにしますので、「ヒビレポ」と一緒に通勤のお供に加えてやってください。
http://irorio.jp/bonnieidol/
 
では、またいつかお会いしましょう。さようなら。
 
 
 
-ヒビレポ 2013年6月26日号-

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