北朝鮮のストリートミュージシャンは何を歌うのか
カルロス矢吹
(第11号で「あれはもう、北朝鮮です!」執筆)
アンドル・ジュン(以下:ジュン)「今回、ちょっと曲じゃなくて写真の紹介になっちゃうんですけど、これみてもらっていいですか」
カルロス矢吹(以下:カ)「これは、道でギター弾いて歌ってるんですか?」
ジュン「はい。北朝鮮のストリートミュージシャンです。まだ高校生くらいで若いんですけど、自作の歌を歌っていました」
カ「へー! どんな歌詞だったんですか? ラブソング?」
ジュン「いや、歌詞は体制賛美でしたね」
カ「あ、そこはそうなんですね」
ジュン「うん。ただ、歌詞よりメロディの方が面白くて、曲が完全にミスチルなんですよ。ミスチルを歌っている訳ではないんですけど、ミスチルみたいな曲になってて。この辺りのメンタリティって同じなんだなぁ、と思ったんですよね」
カ「なるほどー。あの、ミスチルが北朝鮮に流れている可能性、ってのはあるんでしょうか?」
ジュン「それはあると思いますよ。中国から入ってきたり、韓国から入ってきたり。J−POPが中に入っている可能性は十分ありますね。ただ、これは聞いた話なんですけど、K−POPを流布するのは犯罪らしいんですよ」
カ「えぇぇ!!?」
ジュン「入っては来ていて、私が行った時も、明らかに携帯の着信がK−POPの人を見かけたことがあって。一緒にいた人に『あれK−POPじゃなかった?』って聞いたら『えー、知らなーい』みたいにシラを切られて」
カ「それで捕まっちゃうんですか?」
ジュン「あ、いやいや、仮にそれがK−POPだったとしても、それで捕まることは流石にないんですよ。K−POPを販売したりして、流通させることがよくないんですよね」
カ「あー、なるほどね。ちなみに、歌詞の話に戻ってしまうんですけれど、北朝鮮での『放送禁止歌』にあたる歌詞って、どんなものなんでしょうか一応知っておきたくて」
ジュン「体制批判は、まずダメで。後は、エログロ系もダメですね」
カ「うんうん」
ジュン「他にも・・・、細かいことであるかもしれないんですけど、ちょっとそれ以外はわからないですね」
カ「なるほどね。でも、体制批判とエログロがダメ、ってだけ聞くと、他の国もあんまり大差ないですね(笑)」
-ヒビレポ 2013年6月21日号-