「食い物の恨み」は消えず 第17回

魅惑のコロッケ コロッケパン編

 
下関マグロ(「池袋の穴」連載中)
 
 
 

 
 

コロッケ内部にソースをチューチュー挿入して食べるのが好きなのだが、
それはポテトコロッケじゃダメなのだ。
内部が硬すぎてソースを注入するのが大変なのだ。
注入するならカニクリームコロッケである。
 

 

さて、どこかにカニクリームコロッケ弁当があるかしらん。
って、考えたら、灯台下暗しだった。
近所に「さぼてんデリカ」があるじゃないか。

単なる揚げ物のテイクアウトの店だと思ってたけれど、
あそこは弁当もやっているんだ。
というわけで、カニクリームコロッケ弁当はないかと出かけてみた。
しかし、毎度のことだがカニクリームコロッケ弁当はなかった。
ただし、いろいろなお弁当にカニクリームコロッケは入っているのだ。
で、僕が選んだのはシーフード弁当。
海老フライ、イカフライとともにカニクリームコロッケが入っている。

 

 

ソースの容器をブスリと差し込み、
ソースをチューチュー注入する。
ちなみにソースはウスターソース。
中濃ソースやトンカツソースではうまく注入できないからね。
というわけで、中身がソースでビシャビシャになったカニクリームコロッケをいただいた。
う、うまい。ご飯が進む!
高校の頃、弁当のオカズとして入っていたあのカニクリームコロッケの食べ方だ。
カニクリームコロッケにはウスターソースが合う。

いや、カニクリームコロッケだけではなく、普通のポテトコロッケにも
自分はウスターソースをかけるほうが好きだ。
ただし、例外はある。パンにコロッケをはさむ場合は、中濃ソースもしくは、
とんかつソースがいい。

というわけで、僕がそう思うに至った思い出をひとつ。

予備校の寮に入っていた1977年。土日は寮で食事が出なかった。
そこで、皆が思い思いの食事をとっていた。
7月のことだった。広島の山奥からきていた、色黒で痩せていた宮田くんが、
外から寮にかえってきた。食パンをかかえている。
これはゴージャスだと思った。ぼくらが近所のパン屋から戻るときは、
たいていパンの耳を持っていたからだ。
店の前に「ご自由にお持ちください」と張り紙があり、
ワゴンの中にパンの耳が大量に置かれていた。
たいていは予備校生の僕らがもらっていた。

さて、宮田くん、食パンをどうやって食べるんだろうか。
僕はこっそりと宮田くんの部屋をのぞいた。
当時はクーラーなんてない。7月だったので、ドアは開け放たれていた。
八切りの食パンを取り出した宮田くん。なんと惣菜屋からコロッケを買ってきてるじゃないか。
1枚の食パンを手のひらにのせ、その上にコロッケを置いた。
そこにとんかつソースをドボドボとかけ、
その上にパンをもう1枚載せる。コロッケサンドである。
それをうまそうにむしゃむしゃ食うのだ。
ほお、ああゆう食べ方もあるんだ。
僕はすぐに、近所のパン屋と惣菜屋に行った。

この日のお昼は、僕も宮田くんのマネをして、
コロッケサンドにすることにした。
これが、これがなかなかいい。

その後、何度もコロッケサンドを食べたし、
自分なりのアレンジも加えてみたりした。
たとえば千切りのキャベツをはさみ、
とんかつソースだけではなく、
カラシマヨネーズをパンに塗ったりしてみたのだ。

なんて、ことを書いていると俄然、コロッケパンもしくはコロッケサンドが食べたくなった。
近所のスーパー、マルエツで買ってきたよ。
コーヒー牛乳とともにいただくことに。

 

 

あれれ。
よく見ると「コロッケパーカー」とある。
バーガーではなくパーカーだ。
パーカーって万年筆か着るもんでしょ。
これはこれでおいしいけど。
で、別の日、スーパー三徳へ行くと、
なんだ、また、「パーカー」になってる。
一番上の画像ね。しかも20円高い200円だ。
ってことで、100円ローソンへ行ってみた。
あるじゃない、これこれ。

 

 

ソースもたっぷりかかっててうまそう。
で、商品名を見ると。

 

 

な、なんだ。「コロッケドッグ」。
コロッケパンじゃないんだ、でもおいしい。
で、これを食べながら、パーカーにもドッグにもなる、コロッケはすごいなって思ったんだけど、
重要なアレを忘れていることに気がついた。

コロッケの話はまだ続きます。

 
 
 
 
似顔イラスト/日高トモキチ
 
 
 
-ヒビレポ 2013年7月22日号-

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