「食い物の恨み」は消えず 第23回

えっ、元祖コロッケそば編

 
下関マグロ(「池袋の穴」連載中)
 
 
 

 
 
今回もこのコラムは鬼の副編ヒラカツさんからのメールで始まる。
 
 
銀座の「よし田」のコロッケそばは食べられたかと思いますが、
ガッカリしませんでしたか?
日本で初めてコロッケそばを出した老舗と知って意気込んで行ったものの、
予想と違いましたねえ。
「よし田」の店そのものは大好きなので、よく行きますが、
あそこのコロッケそばは一度しか食べていません。

 
えっ、初耳です。すんません。
なに、その「よし田」って。
さっそく、ネットなどで調べてみると、明治18年創業の
銀座にある老舗お蕎麦屋さんだ。
たしかにコロッケそばが有名らしい。
 

 

そりゃ、行くしかないでしょ。
先日、新橋駅のポンヌッフでコロッケうどんを食べたけれど、
「よし田」は新橋駅からけっこう近い。

金春通りというのがある。ここに金春湯という銭湯があって、
その先に「よし田」がある。
冒頭の写真がそれ。老舗っぽい入口でしょ。
入口は狭いのだけど、奥はけっこう広く、
4人がけのテーブル席や座敷の席もある。
お昼すぎで、テーブル席が空いており、そこに通された。

というわけで、コロッケそばである。
1000円だ。さすがに銀座だ。安くはない。
早速注文する。
周りを見ると、ビールを飲みながら、
語らう、サラリーマン風の4人組。
1人でやってきたご隠居風の男性が鴨南蛮を食べ、
少し年齢の高いOL風の女性も一人でやってきたりする。

ひっきりなしにお客がやってくる。
老舗にして、人気店らしい。
というわけで、コロッケそば到着。
 
 

 
 
見た目は、コロッケそば。
普通のコロッケが入っている感じでしょ。
でもこれね、鶏しんじょうなんだそう。
裏返すと見た目はまさにコロッケなんだけどね。
 
 

 
 
しかし、なぜこれがコロッケになったかってことだけど、
たぶん、まだコロッケが一般的でなかったころ、
少ない情報から、見よう見まねでコロッケを作ったのだそうだ。

その後、このコロッケそばは人気を博したそうだが、
じゃがいものコロッケが一般化するにしたがって、
世間で思うコロッケそばとは距離が生まれたのかも。

しかし、よし田は、頑固にコロッケそばを通しているのだそう。
コロッケそばであって、コロッケそばではない、不思議なものを食べた。

でも、鶏しんじょうだと思って食べれば、
けっこうおいしくいただけました。
ただ、また食べたいかと言われると、
やはりそこは、ヒラカツさんと同じかも。

コロッケの話はまだ続きます。

 
 
 
 
似顔イラスト/日高トモキチ
 
 
 
-ヒビレポ 2013年9月2日号-

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