ヒビムシ 第10回


中山大杣池:撮ったはずの虫

沢田佳久
(第11号で「五十円玉はどこだ」執筆)
 
 
 

8月22日(木)
 今日はちょっと急いで書いている.24日から遠征(帰ってきたら書きます)なので,出発前に二回分書きだめなのだ.第11回分は古いネタから既にだいたい書きあげており,これから近況の話題で第10回を.

 ところが,だ.今日撮ってきた中山大杣池の写真SDの不調で読み出せなくなっているではないか.車内で高温になったためか,非純正電池を使ったためか,原因は不明だがとにかく読み出せない.以前にも同様の事態に陥ったことがあり,その際に助けてくれたフリーソフトが,なぜか今回はエラーで停止する.喉もと過ぎれば熱さを忘れる.もうだめだ.文章は中山大杣池で撮ったはずの写真のことを書き,掲載画像は以前の回のやつを掲載することにする.というわけでこの第10回は「23日未明に半泣きで昨日のことを書いている」という状態です,ひ〜.
 

 

 今日の中山大杣池はデイキャンプ場に客が一組だけ来ていた.ニイニイゼミはいなくなり,アブラとツクツクボウシの声がしていた.いちおうアブラを撮影したが,翅の先が削れた個体だった.

 

ツユクサ(7/04,鈴蘭台)(上下とも立体写真。見方は文末に)

 

 草地ではクルマバッタやクルマバッタモドキの成虫が現れ,筆者が歩くと盛んに飛びたった.配偶行動の最盛期だと,視界の開けた場所で一匹のメスの周りに多数のオスがいて,牽制や攻撃や抜け駆けや…,人間のことなど気にせずにバッタ社会の営みに没頭してくれるのだが,今回はそこまでいってないようだ.近づくのが難しく,撮影できたのはモドキ1♂,1♀.メスのほうは色が薄く左後脚を失ったダメージ個体だった.他にバッタの若虫を撮ったが未同定.
 昆虫ではふつう「幼虫」という言い方をする.だが「若虫」という言葉もある.不完全変態の場合に限って「幼虫→成虫」とも「若虫→成虫」とも言ってよい習慣になっている.完全変態の場合,つまり蛹を経る場合は「幼虫→蛹→成虫」であって「若虫」とはしない.要するに「若虫」は不完全変態の場合だけに使われるのだ.バッタやカメムシでは幼虫も成虫と似た姿で似た生活をしていることが多いので「若虫」はなかなか良い表現だと思う.セミやトンボなど,成虫とまったく異なる幼虫を「若虫」と呼ぶのは違う気がする.

 

ナガゴマフカミキリ(7/17,菊水山)

 

 新しいウスタビガを発見.胴体が重そうで,前脚だけでぶら下がっている.飛べる状態ではないようだ.ツンツンして撮影しやすい場所に移動してもらった.羽化した昆虫は蛹時代にたまりに溜まったものを一気に排泄することが多いのだが,この子の場合はまだなのかもしれない.すぐ近くには美しい緑の繭も残っていたのでそれも撮影.

 

アカハナカミキリ(7/30,六甲山)

 

 エダナナフシの美しく成熟した個体も見られた.単に全体緑色とかではなく,胴の側面に赤い線が入ったカラフルな体だ.腹端が太くなっていてこれを逆エビに反らせ,触角の先も曲げて止まっており,なかなかの紛れ姿(まぎれすがた,そんな言葉あるのか?)だった.向こうが気づいたあとも,いろいろといじめてみて,いろんなポーズをとってもらった.本当にエダかどうか調べねば,とも思ったが,たぶんエダだと思うが,画像が…

 

ヘクソカズラ(8/6,やしろの森公園)

 

 ほかにもいろいろいたのだ.その中から上記の虫を選んでヒビムシを構成しよう,アブラを入れるかウスタビの繭かが問題だな,とか考えながら帰還したらこんな事に… すみません.

 あと,訂正せねばならない事がある.第6回に書いた注意書き看板の件,ほとんど全て「桜の枝を折らないで」との主旨(表現にはバリエーションあり)で書かれており,釘ではなくステンレス製の木ネジ(+)で固定されている.すなわち,自然保護や植物愛護の観点からではなく公共物の窃盗防止のためだ.「桜は植栽したものです.満開の枝を持ち帰るのはドロボーです.」ということなのだ.ステンレス製の木ネジは樹木へのダメージが少ないように配慮しての事かもしれない.
 
 

◆立体写真の見方◆

同じような2コマが左右に並んだものは「裸眼立体視平行法」用の写真です.
平行な視線で右の目で右のコマ,左の目で左のコマを見ると,画面奥に立体世界が見えてきます.
大きく表示しすぎると立体視は不可能になります.

色がズレたような1コマのものは「アナグリフ」です.
青赤の立体メガネでご覧ください.
メガネは右目が青,左目が赤です.
緑と赤の暗記用シート等でも代用できます.

別サイト「ヒビムシ Archives for 3DS」にはMPO版を置いています.3DSの『ウェブブラウザ』で「ヒビムシ Archives for 3DS」のサイトを参照してください.お好みの画像を(下画面におき)タッチペンで長押しすると,上画面に3Dで表示されます(数秒かかるかも).表示された3D画像ファイルは保存することもでき,『3DSカメラ』でいつでも再生することができます.

MPO版とは,複数の静止画を一つのファイルにまとめたもので,ここでは立体写真の左右像を一つにまとめたファイルです.3DSをはじめ,多くのmpo対応機器で3Dとして再生,表示することができます.PCやスマホ等でダウンロードできますので,各機器にコピーして再生してみてください.
 
 
 
 
 
-ヒビレポ 2013年9月8日号-

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