新宿ゴールデン街を飲み尽くせ! 第11回


 
コエヌマカズユキ
(第11号で「物書きにとってバー経営はメリットになるのか?」執筆)
 
 

 2020年、オリンピックが東京で開催されることが決定した。多くの人が歓喜していたが、その中で気になるニュースを目にした。オリンピックに向けて、新宿ゴールデン街が区画整理されるかもしれない、というニュースだ。新宿ゴールデン街は60年以上の歴史があり、確かに多くの建物が老朽化している。かつてはぼったくりやたちの悪い酔っ払いがたくさんいたため、街全体が決して良いイメージを持たれていないのも事実だ。オリンピックは国際的なイベントで、確かに経済効果も大きいだろうが、そのためにゴールデン街をなくすというのはいかがなことだろう? そんな疑問を抱えたまま、今週の飲み歩きです。
 

 

<今週の酒>
◆9月2日(月)
 レポ仲間のボニー・アイドルさんと眉月じゅんさんが来店する。前回二人が来てくださったとき、うちのお店の閉店後に、ほかのお店に三人で飲みに行ったことがあった。僕はそのお店で、ママと一緒にボニーさんの洋服を脱がせ、体に色々落書きをしたらしい。ボニーさんに言われて初めて、そんなことがあったのだと知った。全く覚えていない。ごめんなさい。
 途中でお店を抜け出して、前から気になっていたゴールデン街近くのイタリアン「あかはる」へ。マスターが超個性的で、料理も絶品という評判のお店だ。ビールと前菜をいただきながら、名物のピザの焼き上がりを待つ。美味しい! 歌舞伎町やゴールデン街の住人がこぞって訪れるのも納得した。早い時間だったため、他にお客さんはおらず、マスターとマンツーマンで色々な話をした。元々小説家志望だったというマスターは本が好きで、かなり盛り上がった。値段もリーズナブルで、ステキなお店です。

1軒目 あかはる
ビール×2杯
季節野菜のピザ、ブルーチーズの蜂蜜がけ
¥3200
 

◆9月3日(火)
 遅れがちになっていた原稿を昼のうちに一本書き上げ、ほっと一息つく。でも、翌日の朝までに終わらせないといけない原稿が3本も残っている。お店を臨時休業にしようか考えたが、先週もそうだったので、この日は営業しようと決める。4年半近く物書きをしていると、抱えている仕事の量や難易度、自分の文章を書くスピードなどを踏まえて、どのくらいの時間で原稿を書き上げられるか大体分かる。お店を営業しても24時に閉店して原稿に取り掛かれば、朝までには終わるという判断だったのだ。 
 平穏に一日が終わりかけたと思ったら、閉店間際に久しぶりのお客様が来店。話が盛り上がって、気づけば深夜一時になっていた。大慌てで帰宅して原稿に取り掛かり、何とか朝までに送信する。

※自宅にて白ワインボトル半分
 

◆9月4日(水)
 平和な夜。アルバイトさんがいる日なので、お店を任せて腹ごしらえにすぐ近くのおでんバーへ。マスターが物柔らかで、しかも僕と同じ超人見知りな性格ということもあって、仲良くさせてもらっているのだ。おでんを食べてビールを飲んで、近所のお店で酔った客と店主がトラブルを起こしたという話など聞いて、まったり過ごす。

1軒目 おでんバー 酔2
ビール×1本、焼酎水割り×1杯、おでん4品
¥3000くらい

※自分のお店にて
ビール×1本
 

◆9月5日(木)
 お店を抜け出して、昭和歌謡が流れているバー「夜間飛行」へ。毎週木曜日に働いているイケメンYさんは僕と同業で、年も近いので仲よくさせてもらっている。最近、僕のお店のお客さんが、悪酔いしてYさんにご迷惑をかけたのでは? と思うことがあり、様子を聞きに行ったのだ。その件は問題なかったとのことで安心する。途中、アルバイトの丹羽さんも来て一緒に飲む。

1軒目 夜間飛行
ビール×1本、ハイボール×1杯
※お店の方にも一杯差し上げる
¥4000くらい(丹羽さんの一杯分も含んで)
 

◆9月6日(金)
 週明けに提出する長めの原稿があるので、この日は昼からお店に行って、缶詰め状態で原稿を進める。だが思うほど進まず、あっという間に営業時間になってしまった。週末らしく、たくさんのお客様が来て、にぎやかな夜。テキーラ大好きのN岸もやってくる。ところで僕のお店では、テキーラは「クエルボ ゴールド」という種類を置いているのだが、気分を変えて違う銘柄にしてみたところ、N岸には大不評。確かに、後に嫌な味が残る感じがして、クエルボゴールドの方がはるかに飲みやすい。
 このテキーラを空けてしまうべく、それからやって来たお客さんも交えて、男4人でテキーラを飲みまくる。結局、不味いテキーラは一日で空になったのだった。ちなみに後日談として、そのうちの一人は泥酔しすぎて財布を無くしたらしい。

※お店にて、テキーラ×3杯
 

◆9月7日(土)
 この日はお店の常連客であり、文系少女のA馬さんがアルバイトに入ってくれる日だ。アルバイト希望の人はたまにやって来るが、まずは一度入ってもらうことにしている。その上で、お互いの同意があれば、レギュラーでお願いするようにしているのだ。これを読んでいる方で、もし希望者がいたら、ぜひ一度来店してほしい。もっとも、審査はかなり厳しくさせてもらっているが。ちなみにA馬さんは素晴らしかった! お手製のお通し「冬瓜と豚肉の煮物」も大好評だった。条件さえ合えば、ぜひ今後レギュラーでお願いしたい逸材だ。
 
※お店にて
ハイボール×1杯
 

◆9月8日(日)
 明日の朝までに提出する原稿があるため、一日中家にこもって原稿書き。ひたすら書く、書く、書く。仮眠を取りながら原稿を書き続け、結局翌朝の9時頃に完成。無事に原稿を送ることができたのだった。
 
※缶ビール×1本

 

 オリンピックどうこう抜きに、今後ゴールデン街に再開発の波が押し寄せるのは、自然の流れだろう。実際に、再開発に向けた動きの噂が耳に入ってくることがある。そんな中で、僕たちは何ができるだろう? 色々あるが、一番はやっぱり、ゴールデン街のことを知らない方に、魅力を知ってもらうことだと思う。街には多くの外国人観光客が来て、「こんな街は初めてだ! お客さんと店員の距離が近くて、こんなに自然に仲良くなれるお店はどこにもない」とよく感激している。僕も全くその通りだと思う。一度来てもらえれば、必ず面白い街だと思ってもらえる自信がある。だからこれを読んでいる方で、まだ来たことが無い方は、ぜひ一度足を運んでほしい。絶対に楽しいので。何だったら僕と一緒に飲み歩きましょう。
 
 
 
-ヒビレポ 2013年9月10日号-

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