散歩がてらに部屋を探す 第9回

中野・東高円寺編 ~家の窓から参拝可~

 
半澤則吉
 
 

 
 
以前ここにも書いたが、まあ誰も覚えていないだろうからもう一度書く。
僕は昔、豊島区の南長崎というところに住んでいたのだけれど、大学を卒業する折に徒歩数分圏内の部屋に引っ越した。とにかく近かったので引越しは非常に簡単だった。一番かさばった冷蔵庫など大型家電でさえ、後輩の手を借り2人で運べたから業者はおろかレンタカーすら使わず外に出る金はほぼ0円で引越しを完了した。
そうなのだ。近くに引っ越せばあらゆる手間や労苦がない。金もあまりかからない。比較的自転車圏内を中心に探してきた今回の物件探しもいよいよ佳境を迎え、原点回帰。今回はとにかく近い場所をと、ご近所2件をめぐった。
 
 
物件No.17 中野2K


        ○2K K3.5帖程度 和室6帖 洋室3帖
        ○最寄り駅:JR中野駅徒歩10分 
        ○家賃6万5000円/敷1礼1 

 
 
一件目は中野駅の北口。駅から徒歩10分と超がつくほど立地が良い。僕の家からも自転車で10分とかからない。駅近一等地でこの間取り、この価格。これはヤバ過ぎる、と思っていたら違う意味でヤバかった。
 

 


古めかしい感じたっぷり。雰囲気を伝えるべくピンぼけ写真をあえて採用。これは内観だからまだこの程度だが外観はびびった。え、これが玄関ですか、と思わず聞きたくなるような木戸はボロボロで、穴こそ空いていないものの戦争を経験した建物と言われても納得してしまうくらいの迫力だった。広いは広いけど、長くリフォームされた気配のない内装もマイナス点。
 
 

また洋室3帖がさすがにせまい。風呂の壁が威圧的に攻めてくる。あれ、あの窓の外にうっすら見えるのは何でしょう?
 
 

さすがにここまでは想像しませんでした。鳥居とは驚いた。しかもこの近さ。どんなとこに家建てちゃってんの? ついついさい銭投げたくなる距離感だ。「窓から参拝可」物件は、どこかに需要があるんじゃなかろうか。「鳥居あり〼」と資料に書くべき。

鳥居のせいではないが積極的に住みたいところではないな。家賃が5000円~1万円高くてもちゃんとリフォームしたとこに住みたい、とボソリ言うとスーパーバイザーKさんは、大屋の悲しい現状を話してくれた。
「部屋をリフォームするってけっこう賭けですからね。誰もができることではないですよ」
なるほど確かに、いくら金かけても人が入らなければ元も子もない。が、人が入らないような物件を持っていてもやはり1円にもならないわけで…。地主や大屋など、胡座をかける商売かと思いきやなかなか大変なよう。それに対し良いアドバイスをして良い客を持ってくるのが不動産屋ですから、そう語るKさんの背中にはなぜかしら哀愁が漂っていた。さすがにこれだけ内見をこなしてくると業界の奥深さが垣間見え、Kさんに励ましの言葉の一つもかけたくなった。(なかなか部屋を決めない僕のような困った輩や、面倒な大屋、うるさい借り主など胃を痛くすることは多そうだ)
  
 
 
 
物件No.18 東高円寺1K


  ○1K K4.5帖程度 洋室6帖(推定)
  ○最寄り駅:丸ノ内線東高円寺徒歩5分 
  ○家賃6万2000円/管理費3000円/敷1礼1
 
 
 

これまでで一番近いお部屋。今の家から徒歩数分だ。だが、近いというだけで思いのほか残念物件だった。
 
 

中は結構きれいで、内装もしっかりしているのだけど
 
 

なんとなく暗いよね、なんとなく。この「なんとなく」こそ直感的な部分であり、大事だと思うんだよな、と前々回占ってもらった占い師への信心は自分でも意外なほどあつい模様。が、本当の決め手はこちら。
 
 

部屋の前に消化器転がってるって何だよ。他にも視認できるだけで2本の消化器が部屋の近くに。消化器を見て火事を連想してしまったとか、そう言うことではない。これから物件を見に行きます、と言ってこの状態だったら中がそこそこキレイでもちょっと引くでしょうよ。わがままかも知れないが、外の管理状況もやはり大事っす。

と、今回の2件はご近所ながら胸に響かず。また冷蔵庫を手で運びたかったのだけど叶いそうにないな。
 
 

【今回のまとめ】
○大屋のリフォームへの投資はギャンブル
○内観も大事だが外の管理体制も捨て置けない
○窓から参拝できる部屋あり〼
 
 
 
-ヒビレポ 2013年11月27日号-

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