イメージの詩 第34回

ラジカルミステリーナイト

 
 
えのきどいちろう
(第12号で「山田うどんの青春性、そして僕の非・青春性」を執筆)
 
 
 
 『ダイアモンドの頭』(FM東京)から話をはじめる。先週も書いたけど、若者番組枠「ラジカルミステリーナイト」のプログラムのひとつだった。月イチの収録番組だから、のんびりしていた。1時間枠の番組で、収録3時間とかやってたんだ。スタッフが根気強かったよ。80年代後半だから僕は20代だね。あの番組は何で僕がやることになったんだろう。『宝島』っぽい人脈を引っぱって来ようとしてたのか? 

 おかげで僕は中学生の頃の「ラジカセ越しの夢」(?)をあっさり叶えることができた。曲りなりにも自分の番組だ。ちょっと時期がどういう前後するのか自分でわかってないけど、『ダイアモンドの頭』でゴンチチに選曲をたのんだってことは、『日本テレビ大学』(日テレ)で川勝正幸さん、宮沢章夫さん、押切伸一くんらと放送作家の仕事をした後のことだと思う。『日本テレビ大学』はいとうせいこう、シティボーイズ等、小劇場ユニット「ラジカルガジベリビンバシステム」の世界観をテレビへ持ち込んだ感じだろうか。
 

 

 旧称・FM東京の「ラジカルミステリーナイト」はその方向性を延長したものだったと思う。僕は文字のカタチじゃなく、声や音で伝える面白いことに熱中する。

 「おかけになった電話番号は現在使われておりません…」

 NTTの案内が各地でビミョーにイントネーションが違うことに着目して、県別に「市外局番+でたらめな番号」をかけてみて、使われてないアナウンスを聞き比べたやつとか面白かったなぁ。当時は「コールセンターがどこか遠方で一手に引き受ける」体制じゃなかったから、地域地域の方言的イントネーションが聞けたんだ。

 あと、あんまりうまくいかなかったネタだと、美容室「わたしはローラ」ってとこに電話して、「もしもし…」「はい、わたしはローラです」「あ、ローラ? 俺だよジョニーだよ」とやりとりするっていうのがあった。これね、ナンシー関が直電かけたんだよ。「はい、もしもし…」と、店名を名乗らなかったんで、「あれっ、もしもし?」とか困ってるやりとりになった。爆笑でしたけどね。

 文字にするより音のままのほうが面白いことってあるんだ。あ、僕はウクレレに凝ってた頃で歌ったりもした。あの番組はラジオに不慣れでウブだっていうのもあったけど、無邪気に楽しめたな。世界一のウクレレ奏者、ハーヴオオタさんのスタジオライブとか、あ、最終回もゴンチチライブだ。手間ひまかけて、人も呼べて、素晴しい状況で無邪気なことをしていた。あの幸福感がなかったらラジオは今まで続けられてないなぁ。「ラジオは聴くもの」ってカンタンにリスナー側へ戻っちゃいそうな頃でしたね。

 
 
 
似顔イラスト/日高トモキチ
 
 
 
-ヒビレポ 2014年1月13日号-

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